ルースの物語
自分のことを話すとき、ルースは涙を浮かべます。80代半ばで外出もままならならず、教会でも目立つ存在ではありません。どこかに行くには誰かに送迎してもらわなくてはなりませんし、ひとり暮らしなので、他人に大きな影響を与える人とはいえません。
機能不全
機能不全という言葉は、個人や人間関係、組織や政府など、様々なものに使われます。物事が適切に動いていると機能している、何らかの理由で作られた目的に沿った動きをしなければ、機能不全だと言われます。
そっくりさん
血縁関係が無いのにそっくりな人が誰にでもひとりは存在すると言います。私の場合、その人は音楽界のスターです。私もファンのひとりなので彼のコンサートに行きましたが、他のファンに二度見されることが休憩時間に何度もありました。しかし、悲しいかな、ジェイムス・テイラーのようにギターを弾いたり歌ったりすることはできません。たまたまよく似ているというだけです。
信仰の旅路
ルー・ウォーレスの小説『ベン・ハー キリストの物語』は、最も世に影響を与えた19世紀のキリスト教書籍と言われます。ユダ・ベン・ハーという架空のユダヤ青年貴族と実在のイエスの生涯を紡ぎ合せた物語は、1880年の初版から今に至るまで読む人々の心を魅了します。
前進する
私は「アメージング・レース」というテレビ番組が好きです。10組のふたり組の挑戦者が外国に放り出され、公共交通機関や自転車、または徒歩で、ある場所から別の場所を目指し、各々の場所でクリアすべき課題を与えられつつ競争します。そして一番早く目的地にたどり着いた組が、賞金100万ドルを獲得します。
がらくた置場の天才
ノア・ピュリフォイは1965年、ロサンゼルスのワット地区の暴動で発生した3トンのがれきを材料に、「アッサンブラージュ」という様式で作品を作り始めました。彼は仲間と、壊れた自転車の車輪、古タイヤ、粗大ごみのテレビなど、使えなくなった物で立体作品を作りました。それらは、現代社会が人間を使い捨てるという強いメッセージを発しています。彼を「がらくた置場の天才」と呼んだ人もいました。
再建
久しぶりにベルリンに戻ると、かつて愛した町はもうなかった…と、エドワード・クリーは、ユナイティッド航空の機内誌に書いています。ベルリンの町も、自分自身も、すっかり変わっていました。懐かしい場所に行っても、悲しいだけかもしれません。自分も、大切な思い出の場所も、昔のままではないからです。
罪ある人間そのもの
英国の作家イーヴリン•ウォーは、言葉づかいの悪さで人柄が分かるような人でした。やがてキリスト者になりますが戦いは続き、ある日、「そんな態度でクリスチャンだと言えるのですか」と言われました。すると彼は、「私はひどいかもしれません。でも、信仰がなければ、人間以下だったでしょう」と答えました。
すべてのことを働かせる
妻は素晴らしい蒸し料理を作ります。かたまり肉を薄切りのジャガイモとサツマイモ、セロリ、マッシュルーム、人参、玉ねぎと一緒に鍋の中に入れて、長時間蒸します。6、7時間経つと、家中が美味しそうな匂いでいっぱいです。鍋の中の具材が相まって、個々では成し得ない美味しさを作り出すのです。最初のひと口は最高です。時間はかかりますが、それを待つ甲斐は十分にあります。