雑誌「ニューヨーカー」の金融ジャーナリスト、ジェームズ・スロウィッキーの著書「みんなの意見は案外正しい」という本は、ネット上で次のように紹介されていました。「問題の解決、イノベーションの育成、賢明な決断、さらには将来の予見などに関しても、大多数の意見が少数のエリートの考えよりも正しい。どれほど秀才のエリートであってもそうだという信じがたい考え方が、本当なのかどうかをスロウィッキーは検証している。」

著者は大衆文化から政治に至るまでのさまざまな例を用いて、「みんなの意見」は大抵の場合正しい、という見解を提示しています。 これはおもしろい考えですが、総選挙や人気投票の類では、こういった意見に賛成しない人もいるでしょう。

聖書は、「みんなの意見」は頼りにならないだけではなく、危険でさえあると明言していますが(マタ7:13-14)、多くの知恵を結集することの有益性も認めています。箴言11章14節は「指導がないことによって民は倒れ、多くの助言者によって救いを得る」と語っています。キリストのからだのメリットのひとつは、神の知恵を求めて共に働く中で培われる相互扶助です。私たちは神の目的を追求して結び合わされ、その中で、それぞれの必要が満たされ、人生のチャレンジを乗り越える知恵を神から受け取り、こうして自分たちは安全だと感じています。