救い主が誕生された場所が馬小屋だとは、何ということでしょう。イエスが人間として最初に味わった体験は、動物小屋の臭さと騒音でした。飼葉おけに寝かされていたイエスも他の赤ちゃんと同じように、周りから聞こえる動物の鳴き声や知らない人の声に驚いて、泣いたかもしれません。もしそうなら、イエスが生涯に流された多くの涙は、ここから始まったのです。

イエスは、人の喪失や悲嘆を体験されました。兄弟や家族が自分に対して抱いた疑念、自分が拷問され殺される姿を見つめていた母の心痛などをやがて知るようになられました。あの夜眠りにつこうとしていたみどりごの将来には、これらの苦しみ、また、それ以上の苦しみが待ち受けていました。しかしながらイエスは、降誕のその瞬間から、私たちとともにおられる神であり(マタ1:23)、人間であるとはどういうことかを知ってくださいました。十字架で死なれるまでの30有余年、イエスはずっとそうでした。

あなたを愛しておられるので、イエスは人間そのものになられました。完全に人間になられることで、私たちの気持ちが分かるようになられました。私たちは、誰も分かってくれないと、もう言わなくてよいのです。イエスが分かってくださいます。

あの夜、この世界に来られた光が、私たちのたましいの隅々までを照らしますように。そして、天使の賛美のとおり、地上に平和が訪れますように。今年のクリスマス、そのことが成りますように。