トムはボブの経営する会社の顧問弁護士でしたが、その会社の金を横領しました。ボブは怒り心頭でしたが、トムが己の行為を恥じ、悔いているのを知ったキリスト者の副社長は、訴訟を取り下げ、それなりの給与で雇って弁償できるようにしてやってはどうかと進言しました。その通りにすると、トムは恩義に報いようと懸命に働きました。

ダビデが王位につくとメフィボシェテは、窮地に陥りました。前の王の血統を絶やすのが世の常だったからです。しかしダビデは、彼の父ヨナタンを愛していたのでメフィボシェテを我が子のように扱いました(Ⅱサム9:1-13参照)。彼は、死を待つべき自分を「あなたの食卓で食事をする者のうちに入れてくださいました」と驚き(19:28)、生涯、その恩を忘れませんでした。ダビデが息子アブシャロムによってエルサレムから追放された時でさえ、忠義を尽くしました(Ⅱサム16:1-4、19:24-30)。

生涯の忠実な友が欲しいですか。並はずれた友情には、並はずれた行為が必要です。常識的には罰が当然の局面で、あえて恵みを与えなさい。責任はうやむやにさせず、しかし、更生のチャンスを与えなさい。そうすれば恩義に富んだ生涯の忠実な友を得るでしょう。主の恵みによって型に縛られず考えましょう。