友人の本棚にトルストイの『戦争と平和』の全巻が並んでいるのを見て、私は全巻を読んでいないと告白しました。彼は笑いながら「定年で教職から退いたとき、『読める時間がやっとできたね』と、友人がプレゼントしてくれたのだよ」と言いました。

伝道者の書3章の初めの8節は、全てに時があると語る有名な箇所です。年齢や立場にかかわらず、やりたいことを全部する時間のある人はいません。ですから、時間を有効に使うために計画を立てるのはよいことです(詩90:12)。

神と過ごす時間を毎日持つことは、健全なたましいのために重要です。働きがいのある仕事があれば心が満たされます(伝3:13)。神に造られた目的を思えば、神に仕え人を助けることは人生に不可欠です(エペ2:10)。休息や娯楽は無駄ではなく、身体と心をリフレッシュさせます。

目の前のニーズに気を取られがちなのは当然ですが、伝道者の書は、神が「人の心に永遠を与えられた」と語り(3:11)、永遠のことを優先させなさいと忠告します。そうすれば最も大切なことに向き合えます。つまり「始まりから終わりまで」という、神の永遠の視点で物事を見ることです。