マイケルは海に潜ってロブスターを捕っていて、ザトウクジラに飲み込まれました。暗闇の中で自分を強く圧迫する肉の壁を押し返しながら、もうだめだと思いました。しかし、30秒ほどで、クジラはマイケルを吐き出しました。幸い、大きなけがはなく、広範囲の打撲だけで済みました。

旧約聖書のヨナも「大きな魚」に飲み込まれ、3日間、魚の腹の中にいた後、陸に向かって吐き出されました(1:17、2:10)。ヨナの場合はマイケルのような事故ではありません。彼は、イスラエルの敵、ニネベに悔い改めを迫るという神の宣託に従いたくなかったので、ニネベと反対方向に向かう船に乗って逃げました。そこで神は、大魚をヨナに遣わされたのです。

ヨナがニネベを憎む理由はよく分かります。ニネベはアッシリアの都市で、アッシリアはイスラエルを苦しめました。50年ほど後には北イスラエル王国の人々を捕囚の民にして、その民族を地上から消し去りました。アッシリアが赦されるなんて……、とヨナは怒ったのです。

ヨナは神の民に対して誠実でしたが、全ての民の神なるお方に対しては不実でした。神はイスラエルの敵を愛して救おうとされました。神は、私たちに反対する人々も愛し、救いたいと願っておられます。聖霊の風に背中を押され、イエスの福音を携えて、その人たちに向かってこぎ出しましょう。