知ることが苦痛
グランドキャニオンで25日間のラフティングの旅を終えたザック・エルダーと仲間たちは、ゴムボートを回収しに来た人から、恐ろしい新種のウィルスについて聞かされました。パンデミックの前に旅に出ていたので、最初は冗談だと思いましたが、峡谷を出て電波が入ると、携帯電話に親たちから緊急メールが次々に届きました。彼らはぼう然とし、川に戻って現実逃避をしたいと思いました。
灯りをともして
闇夜にポツンと立つ小さな建物が映し出されました。玄関ポーチの脇のランプの灯りが、そこに入ろうとする客の足元を照らしています。あるホテルチェーンのCMですが、それは「あなたのために灯りをともしておきます」という一節で終わります。あのランプの灯りは、歓迎の印のようなものです。通りがかりの疲れた旅人に、快適な休息の場所があると伝えて、中に入るように招いています。
種を蒔く
植物学者ウィリアム・ビールは、1879年、20本の瓶にいろいろな植物の種子を詰めて地中に埋めました。種子生存率実験を試みたのです。20年ごとに1本の瓶を掘り出し、中の種を蒔きます。そして、どの種が発芽するかを見るのです。
愛してすがる
ザックは、お茶目で賢く、人気者でしたが、人知れずうつの症状と闘っていました。そして、15歳で自死。母のローリは「才能豊かな人気者が、なぜそんな所まで追い詰められるのか理解できない。本当に悔やまれる」と語りました。神に悲しみを注ぎ出すときは、まるで時が止まったような静けさで、息子の自死の後に感じた深い悲しみは、それまで経験した悲しみとは次元が違ったと言います。しかし、ローリとザックの家族は、神によりかかったり、人から助けてもらったりして、強められていきました。今は、うつ状態の人たちに寄り添う活動を続けています。
神の摂理
オンラインのDVDレンタルサービスの新興企業が、2000年、当時の業界最大手ブロックバスターに5000万ドル(約50億円)で自社の売却を持ちかけましたが、断られました。しかし、買収されなかった結果、その企業、ネットフリックスは、加入者1億8,000万人以上、時価総額20兆円を超える巨大企業となりました。一方のブロックバスターは倒産。未来の予測はできないものです。
ただ求める
妻が「終わった!」と嬉しそうに声を上げました。大きな仕事の原稿が仕上がったのです。進め方が分からなくて不安だったときは、神の助けを祈り求めました。SNSを通して祈りの援護を求めたこともありました。
私の助け主
月曜日の朝、友人のチアミンは風呂場の掃除をしていました。失業してひと月、再就職は難しそうです。前の会社はコロナ禍で廃業しました。これからのことを考えると不安でした。家族を養わなければいけないのに、いったい誰が助けてくれるだろうと考えました。
着地点
アフリカのサバンナに生息するインパラの跳躍は、高さ3メートル、幅10メートルに達します。肉食獣の攻撃をしのぎ生き延びるために不可欠な能力ですが、動物園で見かけるインパラは、高さがたった1メートルほどの壁に囲まれて暮らしています。そんな飼育が可能な理由は、着地点が見えなければジャンプできないからです。壁の向こうに何があるか見えないと、インパラは跳べないのです。
いかに生きるか
米国のシンガーソングライター、リンフォード・デトワイラーは、駆け出しのアーティストの心構えについて語ります。有名になるには何をすべきかなどと考えるなら、「ありとあらゆる有害な力を内から外から招き入れることになる」と警告します。彼とデュオの妻が目指すのは、派手さはなくても「生涯をかけて成長し、成熟していく」ような音楽人生だと言います。