大学教授のダニエル・ボウマン・ジュニアは、自著『スペクトラム:自閉症、信仰、そして多様性という賜物』で、自身の教会での奉仕経験について次のように述べています。「自閉症の人が何かするときは、毎回、新しい道を構築しなければなりません。心と身体のエネルギー、充電のチャンスの有無、知覚の刺激や居心地の良し悪し、時間帯、面倒くさい人だと排除せず強味を評価し特異な必要に配慮し支援してくれるか否かなど、いろいろ考慮します。奉仕の決断は、自分の時間とエネルギーを新しいことに向けます。多くの人にとって、それは適応不能なことではないでしょう。しかし、私にとっては不適応やパニックの要因になるかもしれないのです」

ボウマン教授は、使徒パウロがコリント人への手紙第一12章に記した相互補完の考えが、現状を癒やす解決策だと信じています。パウロは、賜物、奉仕、働きはいろいろあり(4-6節)、どれもが「皆の益」(7節)のためだと語ります。一人一人が、キリストのからだの必要不可欠なメンバーです(22節)。各々の人の特性や賜物を教会が理解するなら、皆を同じように扱うのではなく、それぞれが賜物を生かして奉仕できるように支援できるでしょう。

こうすれば一人一人が全人的な成長を実感し、キリストのからだの中に正当に評価される居場所を得て、安心することができます(26節)。