ミケランジェロが1515年に完成させたモーセ像には、額の上から突き出る2本の角があります。それは多くの中世やルネッサンス期の芸術家に共通の描写ですが、その理由は当時の聖書の訳です。ヘブル語で「角」は「光線」を意味します。神の前に出た後、モーセの顔は輝いていました(出34:29参照)。それを、ラテン語のウルガタ聖書は「角」と直訳したために、モーセは誤解されたのです。

あなたは誰かを誤解したことがありますか。足の不自由な男性がイエスの御名によって癒やされ、それに驚いた同胞たちに(使3:1-10)、ペトロは彼らがイエスを誤解したと語りました。「あなたがたは、命への導き手である方を殺してしまいましたが、神はこの方を死者の中から復活させてくださいました」(15節)と指摘し、「神はすべての預言者の口を通して予告しておられたメシアの苦しみを……実現なさったのです」(18節)と語りました。また、モーセはイエスを預言したとも語りました(22節)。

「その名を信じる信仰」、「イエスによる信仰」によって、癒やされた人の人生は変えられました(16節)。神について、どんな誤解をしていても、どんな過去があっても、イエスと向き合おうとする人を、神は歓迎されます。「命への導き手」であるお方は、あなたに再出発のチャンスを下さいます。