人間の脳は1.2から1.5kgと非常に小さい器官ですが、ストレスにより、さらに小さくなるそうです。最近の研究によると、ストレスの蓄積で前頭前皮質が萎縮するといいます。この部分は、感情や衝動、社会性をつかさどっており、萎縮は、不安やうつ病につながります。これは、長年のストレスが与える悪影響を示しています。一方、朗報は、脳には可塑性(しなやかさ)があり、運動や瞑想、質の高い人間関係によって、再生・再編する、ということです。

詩編119編の作者は、困難や緊張が、成長や癒やしの糧となると理解していました。「卑しめられたのはわたしのために良いことでした。わたしはあなたの掟を学ぶようになりました」(71節)と語ります。彼は、心の痛みに諭されて、迷い出た道から戻り、神の仰せを守ろうと決意しました(67節)。そして目下の苦境は、自分を消耗させると分かりながらも、良薬口に苦し、と神の良い計らいに感謝し(68節)、神は、自分を清めて、再び神の器として回復させるために、この痛みを用いてくださると信じました(66節)。

私たちの霊も脳と同じようにしなやかです。神はそのしなやかさによって私たちを成長させ、刷新してくださいます。聖書と祈り、御霊に導かれた視座によって、神は苦境の負の影響を、神を求める機会にされます。そうして私たちの霊性を高め、心の痛みを価値と目的あるものに変えてくださいます。