青石の鐘
青石は多種多様で、たたくと美しい音色を放つものもあります。マインクロホグというウエールズの村がありますが、その名は「鐘」または「鳴り響く石」を意味し、18世紀まで青石製の教会の鐘を使っていました。興味深いことに、英国の遺跡ストーンヘンジは青石で造られており、元々の目的は音楽だったのではと考える人もいます。その独特の音色のために、約300キロも遠方のマインクロホグ近郊から運ばれたと主張する研究者もいます。
友と敵
アメリカの神学者ケネス・E・ベイリーは、国際社会で独自路線を行くアフリカ某国のリーダーについて語りました。その国はイスラエルと周辺諸国の双方と良い関係を築いています。不安定な情勢の中でバランスを保つ方法を尋ねられ、彼はこう答えました。「私たちは友を選びます。そして彼らに私たちの敵を選ばせません」
資料と証拠
リンカーンの伝記を書こうと決めたものの、彼に関する本は既に1万4千冊余りあるという事実に、歴史作家ドリス・カーンズ・グッドウィンは圧倒されました。この敬愛される指導者について、さらに語るべきことはあるでしょうか。しかし、彼女は「リンカーン:A Team of Rivals (ライバルのチーム)」を書き上げました。リンカーンの統率力に関する新鮮味ある洞察が高く評価され、その本はベストセラーになりました。
普通の人々の集団
著名な哲学者のハンナ・アーレント(1906-1975年)は、「人間というものは、強大な権力を持つ君主に抵抗し、ひれ伏すことを拒める、と分かっている……一方、大衆に抵抗できる人は実のところほとんどいないと分かった。間違った方向に導かれている普通の人々の集団を前に、独りで立ち上がり、彼らの無慈悲な熱狂に対峙できる人はいない」と書きました。ユダヤ人のアーレントは、母国ドイツでこれを体験しました。
鐘の音を聞いた
アメリカの詩人ワーズワースが1863年に書いた詩をもとにして作られた「クリスマスの鐘」という歌は、かなり変わったクリスマスソングです。その歌詞は、嬉しい楽しいクリスマスといったものではなく、嘆きと訴えです。「私は絶望して頭を垂れる/地に平和はない/憎しみは強く、地上に平和、人に善意と歌う歌をあざわらう」。しかし、この嘆きは希望に変わり、私たちを安心させてくれます。「神は死んでいない、眠ってもいない/悪者は滅び、正しい者が勝つ/地に平和、人に善意」
ソクラテスクラブ
ソクラテスクラブは、1941年、キリスト者と無神論および不可知論者の議論の場としてオックスフォード大学に設立されました。キリスト教系以外の大学で宗教論議をすることは欧米では珍しくありません。しかし、著名な学者でキリスト者のC・S・ルイスが、議長を15年間も勤めたことは驚きです。ルイスは自分の考えが試されることをいとわず、キリスト教は精査に耐える、合理的で信頼に足る証拠があると信じていました。
怒りの心
ピカソの重要な作品『ゲルニカ』は、1937年、スペインの小さな町ゲルニカの崩壊を描いたモダニズムの壁画です。世界が第2次世界大戦へと向かう中、ナチスドイツの空軍は、内戦中のスペインで反乱軍支援のためにゲルニカを爆撃しました。この空爆により多くの命が奪われました。民間人を標的とした非人道的な攻撃は世界中で批判されました。この政治的な作品は、世界の人々の想像力をかき立て、人類には世界を壊す能力があるという議論が始まるきっかけになりました。
家を建てる
アメリカ史上最大の邸宅建設が1889年から6年間行われました。ジョージ・ヴァンダービルト2世の別荘で、1日に約3万2千個のレンガを現地で製造しました。このノースカロライナ州アッシュビルの「ビルトモア・エステート」は、東京ドームのグラウンドを超える16,226平方メートルの床面積。35の寝室と43の浴室を含む250室を有します。確かに野心的ですが、イエスが「建てる」と宣言しておられるものに比べると取るに足りません。
着地点
アフリカのサバンナに生息するインパラの跳躍は、高さ3メートル、幅10メートルに達します。肉食獣の攻撃をしのぎ生き延びるために不可欠な能力ですが、動物園で見かけるインパラは、高さがたった1メートルほどの壁に囲まれて暮らしています。そんな飼育が可能な理由は、着地点が見えなければジャンプできないからです。壁の向こうに何があるか見えないと、インパラは跳べないのです。