声を上げる
いじめられた経験のある人の話を聞くと、少なくとも二重に傷つけられていることが分かります。ひとつは誰にも明らかなことで、実際にいじめている人の意地悪さに傷つきます。それ自体、ひどいことです。しかし、それ以上に深く人を傷つけ、それ以上に悪影響をおよぼす可能性のあるものは、周りの人たちの沈黙です。
戦地からの手紙
アンドリュー・キャロルは、戦時中に戦地から家族や友人へ宛てられた手紙を捨てないようにと、20年以上もの間呼びかけています。キャロル氏は、カリフォルニア州チャップマン大学のアメリカ戦中信書センターの責任者で、手紙は、家族のかけがえのない絆を深めたり、互いを理解する扉を開いたりすると考えています。キャロル氏によると、若い世代がこれらの手紙を読んで深い興味を示し、「戦地に赴いた人が耐え忍び、犠牲にしたものが何かがやっと分かった」と語っているといいます。
すべてをささげる価値がある
ライオンに食べられるクリスチャンを見物する、というローマの娯楽は4世紀末には止んでいましたが、剣闘士の決闘は続いていました。ところが、大胆にも観客の中から飛び出して、剣闘士に殺し合いを止めさせようとした人がいました。彼の名はテレマコス。砂漠に住む修道士で、休暇でローマに来ていましたが、この血に飢えた人気興業に耐えられなくなりました。5世紀の教会歴史家で司教でもあったテオドレトスによると、テレマコスは大声をあげて暴力を止めさせようとしましたが、群衆に投石され、逆に殺されてしまいました。皇帝ホノリウスは、彼の勇気を耳にして、剣闘士の競技を中止するように命じました。
踏み出そう
ウッドチャックが我が家の物置の端っこをかじり出したので、捕まえて公園に放してやるつもりで生け捕り用の罠を買いました。美味しそうな餌を入れて罠を仕掛け、次の朝、ウッドチャックがかかっているだろうと期待しました。しかし、罠にかかったのはスカンクでした。
勇気と根気
ピューリッツァー賞を受賞したユージーン・パターソンの死亡記事を読んで、ふたつのことが印象に残りました。彼は1960年から1968年まで、アトランタ・コンスティチューション紙の編集者でした。当時はまだ、人種差別の撤廃に反対する人が多い時代でした。パターソンはその中で、臆することなく公民運動の支持を訴えつづけました。また彼は8年間、一日も休むことなく新聞のコラムを執筆しつづけました。数にして2922本、来る日も来る日も書きつづけました。彼が社会に与えた影響の鍵は、勇気と根気でした。