預金残高
大きな旅客機が2009年の冬、ニューヨーク市のハドソン川に緊急着陸しました。ひとりのけが人もなく、飛行機を安全に着陸させたチェズレイ・サレンバーガー機長は、生死を分けたその瞬間について尋ねられ、「ひとつの見方ですが…」と前置きしてこう言いました。「私は42年間、経験、学び、訓練という銀行に、少しずつ定期的に積立預金をしてきました。それであのとき、大きな額を引き出せる残高があったのでしょう。」
本当の避難所
私の故郷では2014年3月に部族闘争が起こり、父方の親戚は難民となって、その地方の中心都市に避難しました。悲しいことに、故郷が危険になったという理由で、身の安全とより良い生活を求めて、他の土地に移住することは人類の歴史の一部です。
主のよくしてくださったこと
まだ満たされていない必要を求めるあまり、今あるものを見過ごしてしまうことがよくあります。教会の聖歌隊が詩篇103篇を基にした賛美をしたとき、そのことを再確認しました。この詩篇は、「わがたましいよ。主をほめたたえよ。主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな」と呼びかけます(2節)。神は、赦し、いやし、贖い、良いものを与えて、新しくしてくださいます(4-5節)。この真実を忘れることなどできないはずなのに、差し迫った必要や度々の失敗、また、手に余る状況にさらされると、私たちはそのことを忘れがちです。
避難場所
カナダのバンクーバーに、ホームレスの新たな簡易宿泊施設ができました。地元の福祉団体「レインシティー・ハウジング」が特別なベンチを開発しました。このベンチは、背の部分を引き上げると屋根になり、雨風をしのぐことができます。暗くなると、「ここは寝室」という蛍光文字が浮かび上がるので、簡単に見つけることができます。
闇の中で手を伸ばす
わが家の愛犬はこの13年間、毎晩、私たちのベッドの下で丸くなって寝ています。
違反きっぷの代わりに
ひとりの警察官が、チャイルドシート無しで幼児を乗せていた女性を停車させました。普通なら違反きっぷを切るのですが、代わりに、近くの店に行くように言い、自腹でチャイルドシートを買ってあげました。彼女は貧しくて、それを買うお金がなかったのです。
最悪のとき
ウィンヤードというイギリスの男子寄宿学校に通っていた時期が、C.S.ルイスと兄ウォーレンにはありました。校長は冷酷な人だったので、学校中の人はみじめな生活をしていました。ウォーレンは後年、「私は今、64歳を過ぎたところだが、ウィンヤードにいた頃よりはずっとましだ、と言って自分を慰めることができないような境遇になったことは一度もない」と皮肉交じりに語っています。彼のように、あの頃と比べれば…と思い出して今の状況を感謝できる、最悪の時は誰の人生にもあることでしょう。
外からの助け
出張中の夫がホテルの部屋に落ち着くやいなや、妙な音が聞こえてきました。何だろうと廊下に出ると、近くの部屋で叫び声がします。ホテルの従業員に来てもらって調べると、客が浴室に閉じ込められていました。ドアの鍵が壊れていたのです。閉じ込められた男性は気が動転して呼吸が苦しくなり、助けを求めて叫びました。
強いフィンランド人
第二次世界大戦下のフィンランドでのこと。遠くに聞こえるざわめきが、やがて大地を揺るがし、大挙して押し寄せてくる戦車と兵士が向こうに見えました。味方の数をはるかに超えています。しかし、この怒涛(どとう)の大進軍を前に、ひとりの勇敢なフィンランド人が大声で言いました。「やつらをみんな埋葬する場所があるかなぁ。」