Category  |  罪

実地訓練

ブラジルのある会社が、清掃員に日報をつけさせようとしましたが、うまくいきません。理由を調べると、ほとんどの清掃員は、読み書きができないのです。彼らを解雇することも出来ましたが、そうはせず、識字教室を開きました。すると、半年以内に誰もが基本的な読み書きを習得し、仕事が順調に進みました。

正直に認める

孫息子の朝は散々でした。お気に入りのシャツは見つからず、履きたい靴は暑すぎます。3歳の彼は、おばあちゃんに当たり散らすや、座り込んで泣き出しました。私が「いったいどうしたの」と優しく尋ねると、少し話をして落ち着いてきました。そこで「おばあちゃんにいい子だっ た」と聞きました。彼は靴に目を落とし考え込むと「ううん。悪い子だった。ごめんなさい」と言いました。

弱くても

アン・シーフ・ミラーは1942年、流産をして敗血症になり、危篤になりました。その時、同じ病院に入院中の患者が、新薬を開発した科学者の知り合いがいると言いました。アンの主治医は行政に掛け合い、その薬を提供してもらうと、彼女の体温は一日で正常に戻りました。ペニシリンが、アンの命を救ったのです。

鏡に映る物

映画「ジュラシック・パーク」の中で、ジェフ・ゴールドブラム演じるマルコム博士が仲間とティラノサウルスから逃げる場面があります。車のバックミラーには牙をむく恐竜の顎が見え、すぐ上には「ミラーに映った物は見かけよりも近くにある」と警告があります。

脱出

アガサ・クリスティーの小説「複数の時計」の連続殺人犯は、元々ひとりの人を狙っていましたが、その殺人を隠すために、次々と人を殺します。探偵ポワロに迫られると「ひとりだけ殺すはずだった」と告白しました。

ゆがんだ塔

嵐の影響で教会の尖塔がゆがんだと友人が言いました。危険なので、当然、教会はすぐに修理しましたが、そのみっともない姿に、ちょっと考えました。しばしば教会は、完璧な姿で行くべき場所だと思われます。自分の弱みを見せてよいとは思っていないでしょう。

優しく指摘する

風景画のクラスで最初の課題を描きました。経験豊かなプロの画家に批評してもらう段になり、酷評されると思いましたが、「色使いと、解放感は良いですね。遠くの木々の色をもう少し薄く、原っぱの草は、端をもっと柔らかく描いてください」と言われました。彼には私の絵を酷評する知識や権威がありましたが、優しい態度で的を射た批評をしてくれました。

きよめる

洗濯機に丸めて入れた白いタオルの中に、何と青色のボールペンが入っていました。乾燥の工程で破裂し、そこらじゅうにインクが飛び散り、白いタオルは台無しです。どんなに漂白剤を使ってもきれいにならず、あきらめて雑巾にすることにしました。そのとき、罪が与えるダメージを嘆く旧約聖書の預言者エレミヤの言葉が心に浮かびました。

これは誰?

家に防犯カメラを設置した人が、作動確認のために撮影された映像を見ると、黒っぽい服の男が庭をうろついていました。何をするつもりかと目をこらしながらも、見覚えのある人だと思っていると、それはカメラに映った自分だと気づきました。