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生き延びるための力

子どもの頃、ビニール製の起き上がりこぼしを持っていました。当時の私と同じくらいの背丈で、顔は笑っていました。私は奮起して思い切り叩いてそれを倒しますが、どんなに頑張っても、起き上がりこぼしは必ず跳ね返ってきます。というのは、この人形の底には鉛のおもりが入っていて、立った状態を保とうとする仕組みだからです。ヨットの原理も同じです。竜骨の鉛のおもりが船を均衡にして、強風の中でも倒れずに航行できます。

神の道を探す

英仏海峡トンネルは1994年5月6日に開通しました。技師のアルベール・マチューがこのプロジェクトをナポレオンに提案した1802年から、およそ二世紀を経てついに完成しました。イギリス海峡の真下に約50キロメートルの鉄道用トンネルができたことで、多くの人や車、トラックが、列車に乗ってイギリスとフランスの間を行き来するようになりました。この画期的な新しい道ができるまで、人々は何世紀にもわたって船で海峡を往来していました。

神さまは 力持ち

孫娘のケイティは3歳ですが、ある日、ちょっとした神学的見解を述べて両親を驚かせました。「パパもママも死んだ妹がいたんでしょ。それって、神さまが天国に引き上げられたんだから、神さまってすごい力持ちね。」

力を断たれる

人口密度の高いアメリカ北東部を2012年10月末、大型ハリケーンが襲いました。その進路に当たった町々では大規模な洪水が発生して、大きな被害が出ました。また、800万世帯以上が停電しました。この停電によって、食糧や燃料、水などが不足し、交通網が寸断されて大混乱になりました。うなるような風と打ち寄せる高波によって、建物は押しつぶされ、あたりは水びたしになり、大量の土砂が町に流入しました。メディアはこの出来事を「数百万世帯で電力断たれる」と報じました。

嵐の中の神

その日は早朝から風が強く、小石が降ってでもいるかのような大きな雨音が屋根から聞こえていました。窓の外をみると、黄みがかった灰色の空の下で木々が強風に揺さぶられています。時折、稲妻が空をパッと照らし、骨まで響くような雷鳴がとどろきます。家の電気が消えたりついたりして、この悪天候はいつまで続くのだろうと不安でした。

目立たない

友人のジェーンが職場のミーティングで発言しましたが、何の反応もありません。それで、もう一度言ってみましたが沈黙でした。同僚たちは彼女を無視したのです。彼女は、自分の意見は彼らにとってどうでもよいことだし、自分自身もいてもいなくてもどっちでもよい存在だと感じました。ひょっとしてあなたは、彼女の気持ちが分かるかもしれません。

すべてを越えて

姪と私は、家族内にあった数年来の悩みについて、こんなやり取りを続けていました。

苦難のときにも動じない

父親の自慢をする子どもがいます。近所の子どもたちの会話に耳を傾けてみると、「〇〇くんのパパより、ぼくのパパの方が大きい!」とか、「〇〇ちゃんのパパより、あたしのパパの方がえらい!」とか言い合っています。そんな中でも一番の自慢は、「ぼくのパパのほうが、〇〇くんのパパより強い!」です。これは大抵の場合、けんかに負けそうな子が相手に対して発する警告です。いいかげんにしないと、ぼくの父さんがやって来てぎゃふんと言わせるぞ、そのときは君の父親も一緒だからな、というわけです。

完全に消えるまで

ワルド・キャニオンで2012年6月に発生した山火事は、コロラド・スプリングス一帯の住宅346棟を焼失させ、山林7,300万ヘクタール以上に延焼しました。当局は、延焼を食い止めるために防火線を設け、山火事をその中に閉じ込めることができたと発表しましたが、その地域は完全な鎮火が確認されるまで、他の地域と分断されていました。当局は、まだその地域で煙が上がる可能性があるとして地元住民に注意を促しました。火は小康状態になっただけで、完全に消えているわけではないからです。