永続する平和
第一次世界大戦中、1914年のクリスマスイヴのことです。約50キロにわたる西部戦線で銃声がやみました。塹壕(ざんごう)の上から覗き見ると、自分の陣地を修繕したり、死者を埋葬しようと、姿を現した兵士たちがいました。夜の闇が落ちると、ドイツ軍の中には、ランプを灯してクリスマスの賛美歌を歌う連隊が表れました。すると、敵である英国の兵士たちは拍手し、大きな声でクリスマスの挨拶をしました。
終わりの時に
多くの人は歴史上最悪の紛争のひとつに、第一次世界大戦を挙げます。これは多くの国を巻き込んだ近代兵器による初めての戦争で、数千万の人命が失われました。そして1918年11月11日午前11時(注:英語では、11番目の時という表現に、終わりの時という意味がある)に休戦協定が成立しました。この瞬間、世界の各地では多くの人々が黙祷をささげ、戦没者に哀悼をささげ、戦争がもたらした非常な苦しみに涙したのです。そして、この大戦が名目どおり、「諸戦争を終わらせる戦争」になることを心から願いました。
平和のための賞
アルフレッド・ノーベルは、ダイナマイトの発明で財を築きましたが、それは戦争の在り方を変える発明でした。ダイナマイトのもたらした戦争の惨劇を憂いてか、ノーベルは平和への功労者に賞を与え、遺産の一部をその賞のために用いるように遺言しました。これが今日のノーベル平和賞です。
平和なクリスマス
マシュー・リットは著書の「クリスマス1945」で、第2次世界大戦が終結した後、平和になったアメリカで初めて祝われたクリスマスの出来事を記しています。ニューヨーク・デイリーニュースは、ニューヨーク湾に海軍の艦隊が来訪すると告知しました。「12月25日のクリスマスには、戦艦4隻、航空母艦6隻、巡洋艦7隻、そして駆逐艦24隻から成る巨大な船団が現われる」と記されていました。
けんか腰になる
◆ ホセア書9-11
◆ 黙示録3
―ローマ12:18
先日の出張で「よく飛行機に乗られますか」と客室乗務員に聞かれました。はい、と答えると彼は「ここ数ヶ月、乗客の皆さんがけんか腰で攻撃的になってきたと思いませんか」と尋ねます。私は、同感だと言わざるを得ませんでした。空港の警備強化、コスト高にサービス低下、そして旅に対する全般的な不満などが原因ではないか、という話になりました。それを証明するかのように、ひとりの乗客が、私たちの会話をさえぎりました。自分の席が気に入らないので、席を替えてくれるまで座らないと言い張ったのです。
戦争の代価
◆ イザヤ書32-33
◆ コロサイ1
もし、戦争撲滅・世界平和の名のもとに行われた歴代の戦争の犠牲者が、4列になってロンドンの戦争記念碑の前を行進したら、全員が通り過ぎるのに7日間かかるのだそうです。第一次世界大戦のドキュメンタリー番組の解説で、そのように語られていました。これを聞いて、戦争の恐ろしさにぞっとしました。莫大な戦費、土地や建物の破壊、そして経済活動の停滞は大きな損失ですが、それとは比べ物にならないほどの人的被害が戦争にはつきものです。軍人も民間人も命を落とし、限りなく多くの人たちを悲しませます。戦争の代価は非常に高いのです。