悲嘆と希望
アメリカのカントリー歌手、ジョージ・ジョーンズが81歳で亡くなったとき、ファンは彼の素晴らしい歌声や波乱に満ちた人生に思いを馳せました。その曲の大半には、ジョーンズ自身の切なさやあこがれが映し出されていましたが、それ以上に人を感動させたのは、彼の歌い方でした。シカゴ・トリビューン紙の音楽批評家グレッグ・コットは、「ジョーンズの歌声は、心の痛みを伝えるために造られた」と語りました。
クリスマス の氾濫
私はクリスマスが大好きです。キリストの誕生をお祝いしたり、この季節独特の雰囲気を楽しんだり。私にとってクリスマスは、一年で最も素晴らしい季節でした。ところが、近年は苛立ちを感じることが出てきました。その理由は、毎年、クリスマスに関するあれこれがどんどん早く始まり、秋が来るやいなや、というところまでにじり寄っていることです。
完成した絵
イギリス諸島で最も大きい地上絵が、北アイルランドのベルファストに出現しました。「願い」と題された作品です。芸術家ジョージ・ロドリゲス-ヘラダは、甲子園球場の3.5倍ほどの土地に、杭3万本、土2千トン、砂2千トン、その他ガラスや小石、ひもなどで、この巨大な絵を描きました。しかし、制作当初から完成した作品の全貌が分かっているのは、作者であるジョージだけでした。彼は制作のために人を雇い、ボランティアを集め、資材を所定の位置に運ばせました。
ひょうたん 水筒
アメリカ南部の逃亡奴隷たちは、南北戦争(1861-1865)の前は「地下鉄道」をたどって自由を手にしました。「地下鉄道」とは、奴隷が南から北へ無事に逃れる秘密ルート、およびそれを手助けした奴隷制度廃止論者たちのことです。奴隷たちは、夜の闇にまぎれて何十キロも移動しましたが、そのとき迷子にならないように、「ひょうたん水筒」の明かりを頼りにしました。この「ひょうたん水筒」もまた暗号で、北極星の位置を分かりやすくしてくれる北斗七星のことです。アメリカの黒人霊歌に、”Follow the Drinking Gourd(ひょうたん水筒を追いかけて)”という歌がありますが、この歌詞には、逃亡奴隷の道行きを助ける暗号が隠されていたと考える人もいます。
従うことの 誉れ
エルサレムを訪れた友人が「嘆きの壁」を見に行ったとき、年配のユダヤ教のラビ(先生)がそこを通りがかったそうです。興味深かったのは、そのラビが引き連れていた5人の若者の姿です。その若者たちはラビと同じように、猫背ぎみで足を引きずって歩いていました。その光景は正統派ユダヤ教徒には当然のことです。若者たちがラビのまねをするのは、彼らがラビの「弟子」だからです。
壁を 取りこわす
第二次世界大戦が終わると、冷戦時代が始まりました。国々がふたつの陣営に分かれて、相手を威嚇したり主導権争いをしたのです。1961年8月に建てられた「ベルリンの壁」は、約30年間、両陣営のくすぶりつづける敵意の強烈なシンボルでした。しかし、1989年11月9日、東ベルリンの市民は自由に壁を通過して西側に行けるようになり、翌年、ベルリンの壁は完全に取り壊されたのです
オレンジか ミルクか
幼い娘に「男の子の赤ちゃんが遊びに来るよ」と告げると、彼女は大喜びしました。そして、食べ物をあげておもてなしをしようと、子どもらしい提案をしました。カウンターにある新鮮なオレンジがよいのではと思ったようです。そこで私は、赤ちゃんはまだミルクしか飲めないけれど、大きくなったらオレンジが食べられるようになると説明しました。
何倍にも したもの
エイミーは5年間癌と戦ってきましたが、ついに手の施しようがなく、余命はあと数週間だろうと医者に告げられました。そこでエイミーは牧師を呼んで、「天国はどのようなところですか」と質問しました。永遠について理解し、確信したかったからです。
馬の力
疾走する馬の力強さ、雄々しさ、美しさを思い浮かべてください。頭をしっかり上げ、たてがみを風になびかせ、四本の足はリズミカルに調和して動きます。そこには力とスピード、そして自由があります。