ヴァン・クライバーンやウラディミール・ホロヴィッツのような超一流のピアニストは、ニューヨークのスタインウェイ&サンズの主任コンサート調律師、フランツ・モアを頼りにしていました。彼のピアノの調律は完璧だったからです。モアは、その長年の経験と知識から、多くの有名ピアニストに慕われました。また、調律の技術は、自分が神に仕える手段だと信じ、自身の信仰をピアニストや公演スタッフたちに語ることもありました。

イスラエルの民は、臨在の幕屋を建て、礼拝に必要な祭具などをあつらえようとしましたが、その際、専門の技術を持つ職人が必要でした(出31:7-11)。神は、ベツァルエルとオホリアブという熟練の職人を任命し、「神の霊を満たし、どのような工芸にも知恵と英知と知識を持たせ、……細工に意匠をこら」(3-4節)すように命じられました。神は、その専門技術に加えて御霊の力も与え、彼らを導かれました。彼らが自分の技術を使って喜んで奉仕したことで、イスラエルの民は、神を正しく礼拝できたのです。

芸術の才能はなかったとしても、神は各々に他者に仕える才や業という賜物を下さいました(ロマ12:6)。私たちは、御霊に力を頂き、職業を通しても、神に知恵や理解、技術を賜り、それらを通して、神を拝し、神に仕えることができます。