画家のドガは網膜の病気を患い、視力が低下すると、油彩画よりもはっきり見えるパステル画を描きました。ルノワールは、関節リウマチで指が湾曲し硬直すると、その間に筆を固定して描き続けました。マティスは、手術して動けなくなると、壁に大きな紙を広げさせ、切った色紙を指示どおり貼らせ、「切り紙絵」を作りました。どの場合も、画法の創造性を躍進させました。ドガの『青い踊り子たち』、ルノワールの『ピアノに寄る少女たち』、マティスの『王の悲しみ』などの傑作は、彼らが試練に適応する中で生まれました。

使徒パウロの場合、1回目の宣教旅行でガラテヤに行く予定はありませんでした。しかし、療養する必要が生じ、恐らく、良い気候を求めて行ったのでしょう(ガラ4:13)。そして、病気にもかかわらず、御言葉を語りました。聖霊は弱っているパウロを通して奇跡を起こし(3:2-5)、ガラテヤに教会が誕生しました。パウロに病がなければ、この結末はなかったことでしょう。

あなたはどんな試練に遭遇し、人生の方向性を変えられましたか。自分の境遇を改めて見つめるなら、自分の弱さから神が美しいものを作り出そうとされていることに、あなたも気付くかもしれません。