闇と光
子どものころ、約140軒の家に新聞を配達していましたが、その通りは、墓地の向こう側にありました。そんなわけで、私は早朝3時に家を出て、真っ暗な墓地を通り抜けて、朝刊の配達に向かわなければなりませんでした。恐怖に駆られて走ったこともありました。墓地の反対側の街灯の下に行くまでおびえていましたが、そこに着くと、街灯の明かりが私の恐怖を払いのけてくれました。
愛に満ちた父
見るからに疲れ切った夫婦が、ふたりの活発な幼稚園児の息子を連れて乗り継ぎ便を待っていました。搭乗予定の便は遅れています。私は混み合った待合室で走り回る子どもたちを見ながら、目的地までの30分間、あの子たちをじっとさせておくのは至難の業だと思いました。やっと機内に入ると、父子の席は私の後ろでした。そして父が息子に「本を読んであげようね」と疲れた声で話すのが聞こえました。この優しい父親は、着陸まで、静かな声で辛抱強く本を読みつづけ、息子を本に集中させました。
遠い丘の上で
子どもたちが小さかった頃のことを、最近よく思い出します。懐かしい思い出は、毎朝、彼らを起こしていたことです。部屋に入り、一人ひとりの名前を優しく呼んで、起きて身支度をする時間ですよと告げるのです。
取るに足りない
宇宙では何ということのない、太陽系の小さな惑星の上にいる70億人のうちのひとり…。それが私たちです。地球は実際、神が造られた無数の天体の中の微小な青い点にすぎません。私たちの素晴らしい地球は、宇宙という巨大なキャンバスの上では小さいほこりのようなものなのです。
答えは明らか
神より偉大で悪魔よりも邪悪なもの。貧乏人は持っている。金持ちにはない。もしそれを食べると死んでしまう…。こんななぞなぞに当惑し、あれこれ考えすぎて、「そんなものは無い」という当然の答えを外してしまいました。
愛という動機
ボビー・ジョーンズは1920年代のゴルフ界をリードしましたが、プロではありませんでした。「ボビー・ジョーンズ~球聖とよばれた男」という映画の中で、いつになったらプロに転向して金を稼ぐのかと質問される場面があります。その問いに対してジョーンズは、「アマチュア」という単語が「愛する」という意味のラテン語amoに由来することを説明します。彼の答えは明白でした。彼がゴルフをするのは、ゴルフを愛していたからです。
なぜこの私を
英国人牧師ジョセフ・パーカーは、「イエスは、なぜユダを弟子に選ばれたのか」と質問され、しばし考えました。しかし、答えは出てきません。その上、「なぜイエスは、私を選ばれたのか」という、より難しい問題にぶつかりました。これは、現在まで問われつづけてきた問題です。人は、自らの罪深さを知り、罪悪感に圧倒され、イエスにあわれみを請います。そして、神が人を愛し、イエスが身代わりに死んでくださったので、すべての罪は赦された、という人の理解を超えた真理を体験し、驚き喜びます。
現状引き渡し
アメリカで売り家の広告に「現状引き渡し」とあれば、売主は家を修理したり、リフォームする費用を出す余裕、もしくは意思が無いことを意味します。必要な修理やリフォームは、買い手が家を引き渡された後に自分の負担で行わなければなりません。つまり、不動産売買において「現状引き渡し」とは、「ご注意ください。当物件、多額の追加費用が必要になるかもしれません」ということです。
驚くほど素晴らしい手紙
私たち夫婦は時々、文字の書かれていない手紙を受け取ります。封筒から「手紙」を取り出すと、紙には色とりどりのフェルトペンで絵とも文字ともわからないものが書かれています。これらの「手紙」は私たちの心を温めてくれます。遠方にいる幼稚園児の孫のケイティが書いたものだからです。言葉はなくとも、ケイティが私たちを大切に思ってくれていると分かります。