今はそう見えても
ドンはスコットランドのある牧場で飼われているボーダーコリーです。ある朝、飼い主が軽トラックにドンを乗せて、見回りに出かけましたが、降りるときにサイドブレーキをかけ忘れてしまいました。すると、車は運転席にドンを乗せたまま、丘を下っていったのです。そして、二車線道路を横切ったところで、無事に止まりました。通りがかった車からは、まるで犬がドライブしていたように見えたそうです。物事は見た目どおりとは限りません。
困難の丘
アイダホ州の我が家からは、北にジャグハンドル山が見えます。そのふところには氷河湖がありますが、そこに至る道は、急な登り坂と野ざらしの大きな岩や浮き石に阻まれる険しい尾根道で、過酷な登山です。
こっちへ来なさい!
子どもたちと近所の公園を散歩していると、リードをつけていない犬が2匹いました。その1匹が息子に目をつけましたが、飼い主は気づかないようでした。息子は「シッ!」と言って追い払おうとしましたが、犬はしつこく迫ってきます。ついに怖くなって駆け出すと、犬に追いかけられました。
祈る患者
新聞の死亡告知欄にアラン・ナニンガという人の記事がありました。この町の人で、「何といっても、キリストの証人として生涯をささげた人」だそうです。そこには彼の仕事や家族のこと、また、彼の闘病生活が10年にも及んだと記されていました。他の患者のために祈る奉仕を続けたので、「病院の人たちは彼のことを『祈る患者』と、敬意を込めて呼んでいた」と書かれていました。この人は、自分も大変だったのに他の人に手を差し伸べ、その人のために、またその人とともに祈りました。
あなたの旅
私は1960年代という反抗的な時代に育ち、少年の頃は宗教に否定的でした。小さい頃から教会に行っていましたが、自分の信仰を持ったのは、大きな事故に遭った20代の前半でした。そしてイエスの愛を伝える人生を送り、それは正に人生の旅でした。
火のような試練
森にとって、火は大敵です。しかし、役にも立つといいます。専門家によると、頻繁に起こる小規模な森林火災は、枯葉や落ち葉、そして地面の掃除をしますが、木は焼きません。この火事は、種の発芽に都合の良い灰を残します。驚いたことに、小さな火事は、森の健全な成長に必要なのだそうです。
力を抜く
太陽がギラギラとプールに照りつけています。ずっと泳いでいる生徒たちに、インストラクターがこう言っているのが聞こえてきました。「みなさん、疲れてきましたか。水の深いところで疲れてきたら、力を抜いて浮いてみてください。」
しゃぼん玉
アトランティック・シティーの遊歩道を夫婦で歩いていたとき、男の子が脇を駆け抜け、しゃぼん玉が降ってきました。それは、重苦しい一日に訪れた楽しい時間でした。私たちはその日、義理の兄を病院に見舞いました。また、なかなか医者に診てもらえずに困っている、姉を助けようと努力していました。海岸べりの遊歩道を歩きながらひと息つこうとしつつも、彼らの必要の大きさに圧倒されていました。 そこへしゃぼん玉が降ってきました。小さな男の子が、海風の吹く中で気まぐれに飛ばしたのですが、私にとっては大きな意味がありました。私はしゃぼん玉が大好きで、事務所の机の中には石鹸水の小瓶を常備しています。笑顔が必要なときに使うためです。
上を向いて
エミルは年中、下を向き、地面ばかりを見てあてもなく、とぼとぼ街を歩くホームレスでした。彼は人と目を合わせません。路上生活をする前の知り合いに気づかれると恥ずかしいですし、道に落ちている小銭やタバコの吸い殻も探しているからです。下を向いてばかりいたので、背骨がすっかり曲がってしまい、まっすぐに立つことは困難です。