忠実な兵役
第一次世界大戦での経験から、C.S.ルイスは兵役のストレスについて身をもって知っていました。彼は第二次世界大戦のとき、兵士が直面しなければならない苦難について語りました。「戦場の兵士の生活は、私たちが様々な逆境で抱く恐怖のすべてを合わせ持ちます。病気のときのように痛みと死という脅威にさらされ、貧困にあえぐときのように寒さ、暑さ、餓えと渇き、劣悪な住環境に耐えさせられます。奴隷のように、労苦、屈辱、不公正、支配者の気まぐれという脅威にさらされ、流刑にされた人のように、愛する者から引き離されます。」
損失をのり越えて
作家ウィリアム・ジンサーは、大好きだった自分が育った家を見に行った時のことを書いています。妻といっしょに、マンハセット湾とロングアイランド水道を見渡せる丘に登って目にしたのは、残った大きな穴だけでした。その家は取り壊されていたのです。彼らはがっくり肩を落として、近くの防潮堤まで歩きました。ジンサーは湾岸の景色を見つめ、あたりの音に耳を澄ましました。そして、その経験を次のように記しています。「ほんの少しの悲しみだけで、心は平安でした。風景は昔のまま。今でも夢に見るぐらい私の心に深く刻まれた、その独特な陸地と海の輪郭は、少しも失われていませんでした。」
砂漠地帯
乾燥、砂ぼこり、危険。砂漠、それは水分が非常に少なく、人の生活に適さない場所です。その地で生きていくことは困難で、好き好んでそれを選ぶ人はありませんが、別の選択肢がない場合もあります。
荷を軽くする
自転車の牽引力は大したものです。平均的な大人が専用のトレーラーを使うなら、(相当やる気を出す必要はありますが)自転車で130キロ程度の重さの荷物を引っ張り、時速約16キロで進むことができます。唯一の問題は、荷物が重ければ、速度が遅くなることです。260キロ程度の重さの重機や荷物を引っ張る場合は、時速約13キロになってしまいます。
「じっと」の中の強さ
クリスチャンとして歩み始めた頃、古い生き方に戻ってしまうのに一年もかからないのではないかと不安でした。そんな時に「主があなたがたのために戦われる。あなたがたは黙っていなければならない」(出14:14)というみことばに助けられました。エジプトでの奴隷生活から逃れ、パロに追跡されていた時、モーセが民に告げた言葉です。彼らは気落ちして恐れていました。
涙の贈り物
友人がお母さんを亡くしたと聞いて、電話をしました。私の母も親しかったのですが、今はふたりとも故人です。話し始めるとすぐに、様々な感情が押し寄せて来ました。別離の悲しみだけでなく、親切で愉快な彼女の人柄を偲ぶ泣き笑いの涙もありました。
嵐を静める
ハリケーン・カトリーナがミシシッピー州の沿岸に迫ってきたとき、ある引退牧師は夫婦で避難場所に向かいました。アトランタの娘のところに行くように勧められたのですが、銀行が閉まっていて旅費を引き出せなかったのです。やがてハリケーンが去り、自宅に身の回りの品を取りに行くと、家は壊れ、父親の写真の入った写真立てが水に浮いていました。牧師がその写真を乾かそうと取り出したところ、366ドル分の紙幣がいっしょに出てきました。ふたり分のアトランタ行き航空券の代金と同額でした。どんなときでも、イエスに頼ることができると学んだ出来事でした。
傷心からの再出発
クロアチアの首都ザグレブにある「失恋博物館」には、世界各地から匿名で寄贈された失恋の品が陳列されています。自分を捨てた恋人の家具を壊したときに使った斧があります。ぬいぐるみ、割れた額縁に入ったラブレター、ウェディングドレスなど、心の痛みを切々と伝えるものばかりです。自分の痛手を思い出して涙しながら去る人がいる一方で、決して裏切らないと、抱き合って互いに誓うカップルもいます。
苦しみという学び舎
C.S.ルイスは、「神は、私たちが楽しいときにはささやきかけ、良心には語りかけられます。しかし苦しみにおいては、叫んでおられます。苦痛は、耳を塞いだ世界を呼びさまそうとする神のメガホンです」と記しています。苦しみは往々にして、己の焦点を見直させます。目下の状況から思いを転じ、神に耳を傾け、「私の人生にどんな御業をなさっているのですか」と問いかけます。平穏な日常生活が、霊の学び舎に変わります。