同じ舟に乗って
そのクルーズ船が港に入ると、乗客たちは急いで下船しました。船内では数日前からウイルスが大流行し、何百人もの乗員乗客が病気になっていたからです。インタビューを受けたある乗客は、「でも文句を言っても仕方ないでしょう。同じ船に乗り合わせたのですから、運命共同体です」と言いました。
希望は生きる
思いもかけない悲劇に襲われ、人生に亀裂が生じると、人はなぜと問いかけます。最近、十代の子どもを亡くした母親に言われました。「分からなくなりました。信じつづけていけるでしょうか。神のなさることに納得しようとしても、どうしてもできないのです。これはいったい、どういうことなのでしょう。」このような大きな疑問に対して、平易な答えはありせん。しかし、イエスを信頼するなら、希望があります。幸せに浴していても、悲しみに押しつぶされそうだったとしても…。
絶えられない試練
幼い息子を小児ガンで亡くした男性に、ある人が「神は決して耐えられない試練をお与えにはなりませんよ」と言いました。励ましの言葉のつもりだったのでしょうが、言われた方は、耐えられていない自分ゆえに、さらに深く傷つきました。彼は胸を引き裂かれるほど辛く、どうして良いか分かりません。「神さま、私をしっかりと抱きしめてください」と必死でした。
目的のある痛み
人生で最大の困難は何だったかと友人たちに尋ねたところ、戦争、離婚、手術、家族の死などという答えが返ってきましたが、妻は初産だと言いました。確かに、陸軍病院での長く苦しい分娩でした。しかし、あの痛みには大きな目的があったので、よかったとも言いました。
希望をもたらす贈り物
巨大台風が、2013年にフィリピンのタクロバンを襲い、推定で1万人が亡くなりました。そして生存者の多くは、家や仕事を失いました。物資も乏しく、3か月が経っても復旧はままならない状況でした。そのような時、またも暴風雨がやってきましたが、その中で赤ちゃんが生まれました。悪天候は台風の辛い記憶を呼び起こしましたが、近所の人たちは協力し合って助産師を探し、母親と赤ん坊を診療所に連れていきました。その赤ちゃんは回復してすくすく育ち、住民の苦難の中で希望のシンボルとなりました。
招かれざる客
息子夫婦が慌てて電話をしてきました。前の晩、家の中で2匹のコウモリを見つけたといいます。生態系にはコウモリも重要ですが、だからといって家の中を飛び回ってもらって嬉しいわけはありません。それで、私たち夫婦は息子たちの家に行って、その招かれざる客の侵入口とみられる穴をふさぎました。息子たちの手伝いができて感謝でした。
生き延びるための力
子どもの頃、ビニール製の起き上がりこぼしを持っていました。当時の私と同じくらいの背丈で、顔は笑っていました。私は奮起して思い切り叩いてそれを倒しますが、どんなに頑張っても、起き上がりこぼしは必ず跳ね返ってきます。というのは、この人形の底には鉛のおもりが入っていて、立った状態を保とうとする仕組みだからです。ヨットの原理も同じです。竜骨の鉛のおもりが船を均衡にして、強風の中でも倒れずに航行できます。
そう見えなくても
夫が心筋梗塞の発作を起こしましたが、事なきをえました。私たちは神に、彼の生命を救ってくださったことを何度も感謝しました。それから数ヶ月間、多くの人が妻の私に声をかけてくれましたが、私はいつも、「恵まれていると感じているわ」と応じていました。
私を力づけてください
シンガポールの初代首相リー・クアンユー氏は、今日のシンガポールの発展を造り上げたと評価されています。リー氏の首相在任中、シンガポールは成長して豊かになり、アジアの先進国に数えられるようになりました。彼は長期にわたって国の政治をつかさどり、難しい状況や批判に直面したこともありました。投げ出したいと思ったことはありますか、と質問されると、リー氏はこう答えました。「人生をかけて取り組もうと決めていました。」