山の頂の穀物
今までにいくつもの山に登ってきましたから、山頂には大して何もないことを知っています。そこにあるのは、むきだしの岩とコケの類ぐらいです。豊かに育った穀物を見ることは、通常ありません。
辛い鍛錬
ダイヤモンドは美しく価値のある宝石ですが、もとは黒くて汚い可燃性の炭素です。それが高熱と高圧に長い間さらされて、強く純粋な石になります。このことは、霊的に強くなることを説明する良い例です。神は強い外からの力を用いて、私たちの心の不純な部分を取り除き、神の力が私たちの内に完全に現れるようにされます。
強い人
何年か前、夜遅くにエレベーターに乗っていた時のことです。周りには何人かの男性がいましたが、皆疲れているようで、しょぼくれていました。そのとき、エレベーターが止まり、カウボーイ風の男性が乗り込んできました。年季の入った帽子に染みのついた羊皮のコート、そしてウエスタンブーツをはいて、堂々としています。彼は、私たちをじろっと見ると、しわがれた太い声で挨拶をしました。すると、私も含めてみんなは、びしっと背筋を伸ばし、胸を張り、自分も堂々とした男だ、という格好をしました。
清算する
太陽がぽかぽか暖かいある日の出来事です。ガレージセールを開き、いらなくなった洋服や古本、食器類などを売ることにしました。掘り出し物を探す人たちの中に、白いビーズのネックレスをじっと見つめている若い女性がいました。ところが、少し目を離した隙に、ネックレスもさっきの女性の姿も消えていました。あたりを見回すと、立ち去ろうとする彼女の後姿が向こうに見えたので、走って追いかけました。声をかけると、手には例のネックレスが握り締められたままです。気まずい雰囲気の中、女性は盗んだネックレスの代金を支払うと申し出てくれました。
取税人ザアカイは、イエスを見たい一心で木に登りました。そしてイエスと出会い、変えられました。彼は、それまでに人からだまし取ったものは4倍にして返すと言ったのです(ルカ19:8)。当時の取税人は、人々から余分に税を徴収し、その上前をはねるのが常でした。だまし取ったものを返し、財産の半分を貧しい人たちに施すというザアカイの熱意から、彼の心に大きな変化が起こったことが伺えます。搾取していた人が、イエスと出会い、自分の行為の償いをした上、今度は施す人になろうと決意しました。
ザアカイの話は、自分も変わりたいと思わせてくれます。何かを取ってしまった、滞納している税がある、または、誰かを傷つけたなどの過去が心に浮かんだなら、それは神が示してくださったのです。清算しましょう。それは、神に栄誉を帰する行為です。
気持ちを裏切る
マタイの福音書26章のゲッセマネの園の場面をある人と読んでいたとき、彼は私にこう言いました。「これだけは言える。もし僕がゲッセマネの園にイエスと一緒にいたら、僕はイエスを支えるよ。居眠りなんてとんでもない!」彼は憤慨していました。「イエスはどれほどつらいかを話されたのに、それを聞いた後で、何で居眠りなんかできるんだ。イエスは一生懸命頼んでおられたじゃないか!」(38節)