Month: 1月 2016

解放される

ある会社で研修会の講師をしたとき、従業員の中年男性に尋ねられました。「私は人生の大半をクリスチャンとして過ごしましたが、常に自分に失望しています。なぜ私は自分がしたくないと思うことをやりつづけ、すべきだと思っていることができないのでしょう。神は私にうんざりしていませんか。」そばにいた別のふたりも、私をじっと見つめていました。

Amy Boucher Pye

エイミー・ブシャー・パイは、英国在住の作家、編集者。著書にFinding Myself in Britain: Our Search for Faith, Home, and True Identity(英国で自分探し:信仰と故郷と本当の私を求めて。邦訳なし)があります。英国にて、輝く女性のブッククラブを運営。家族と教会の牧師館で暮らしています。

お帰り!

息子のことで本当に大変だったときに、礼拝後に私をつかまえて、私と息子のために毎日祈っていると言ってくれた人がいました。彼は、すごく申し訳ない気がしていると言います。なぜかと聞くと、私のように苦しむことがなかったから、と言いました。「うちの子どもは、割とすんなり言うことを聞くんだ。でもそれは、親の信仰や育て方のせいじゃない。だって子どもは結局、自分で自分の道を選ぶのだから」と言いました。

現実を生きる人、そして神

数年前、自分の家庭に起こった悲劇を「デイリーブレッド」の中で明かすと、ある読者から一通の手紙を受け取りました。そこには、「あのデボーション・エッセーを読んで、『デイリーブレッド』の筆者たちは、私たちと同じ現実を生きる普通の人たちだと気づきました」と書かれていました。全く、そのとおりです。 「デイリーブレッド」の筆者たちを見ると、癌の苦しみ、反抗的な子ども、実現しない願いなど、様々な痛みの中にいます。私たちは、この世の現実を生きる普通の人で、現実の苦悩を分かってくださる、今ここにおられる神について書いています。

どうぞお先に

チベット出身のシェルパ、ナワン・ゴンブとアメリカ人の登山家、ジム・ウィッタカーは、1963年5月1日にエベレストに登頂しました。山頂が近づいたとき、ふたりはそれぞれ思いました。頂上の土を先に踏んだ方が栄誉を受ける…。ウイッタカーはゴンブに先に行くようにと言いましたが、ゴンブは「ジムさん、あなたが先ですよ」と笑顔で辞退しました。それで、同時に山頂の土を踏むことにしたのです。

和解の使節

人種差別が激化する社会への報復心と戦う。これが、1957年のある日曜日、キング牧師が礼拝で語ったことでした。彼は、アラバマ州モンゴメリー市の教会で次のように語りました。「あなたの敵を愛するために何をしますか。自分から始めましょう。敵を打ち負かすチャンスが到来したなら、そのときこそ、そうしてはいけないのです。」キング牧師は「自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい。それでこそ、天におられるあなたがたの父の子どもになれるのです」と、イエスのみことばを引用しました(マタ5:44-45)。

天国のヒント

私の集う教会から通りを挟んだ所に、世界的に有名な植物園があります。そこで地域の教会の親睦会が催されました。私は園の中を歩き、植物を熟知する人たちが丹精込めて育てた木や花を見ながら、昔からの知り合いに挨拶をしたり、久しぶりに会う人たちと近況を分かち合ったりしました。その催しは、天国はこういうところかしらという、教会のあるべき姿を象徴するものに富んでいたように感じました。

成長を願う

ウーパールーパーは、メキシコ山地の湖沼に生息するサンショウウオの一種で、絶滅危惧種です。ウーパールーパーは生涯オタマジャクシのような幼生の姿で、成体型になりません。そこで、作家や哲学者は、成長するのを恐れる人を「ウーパールーパー」と表現します。

預金残高

大きな旅客機が2009年の冬、ニューヨーク市のハドソン川に緊急着陸しました。ひとりのけが人もなく、飛行機を安全に着陸させたチェズレイ・サレンバーガー機長は、生死を分けたその瞬間について尋ねられ、「ひとつの見方ですが…」と前置きしてこう言いました。「私は42年間、経験、学び、訓練という銀行に、少しずつ定期的に積立預金をしてきました。それであのとき、大きな額を引き出せる残高があったのでしょう。」