手を差し伸べる勇気
アルディはまだ十代でしたが、インドネシアのスラウェシ島から125キロメートル離れた水上の釣り小屋で、ひとりで働いていました。ある日、強風で錨の係留がはずれ、小屋ごと大海に流され、49日間、海上を漂流しました。船舶を見つけるたびにライトを照らして呼びかけましたが、反応はありませんでした。彼が衰弱した状態で救出されるまでに約10隻もの船が通過していたのです。
役に立つ誘惑
古来、人々に愛読されてきた15世紀の修道僧トマス・ア・ケンピスの著書『キリストにならいて』には、誘惑に対する意外な見解が示されています。ケンピスは、誘惑されたとき、人はへりくだり、きよめられ、教えられると言います。そして、勝利の鍵は、真の謙遜と真の忍耐。そのうちにあって、我々は敵よりも強くなると説明しています。
赦すために召された
パトリック・アイルランドは、コロラド州コロンバイン高校の銃乱射事件で負傷した生存者です。彼は長い回復の途上で、恨みから解放されないと傷は深くなるばかりだと学びました。赦しの鍵は、人にされた悪ではなく、イエスがしてくださったことに焦点を合わせることでした。キリストは十字架上で、自分を苦しめる者たちのために「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」と言いました(ルカ23:34)。こうして祭司ザカリヤの預言が成就したのです(1:77)。
たっぷり与える
ステーシーは失業中でしたが、15ドルをはたいて知らない人の車にガソリンを入れてあげました。財布を家に忘れて来たとガソリンスタンドで赤ん坊を抱いて困っていたからです。すると後日、子どものおもちゃなど、贈り物で一杯のかごが玄関前に置かれていました。その人の友人らが、お礼にとクリスマスプレゼントをくれたのです。
蜜よりも甘く
演題は人種問題でしたが講師は冷静でした。大勢の前で大胆に語りましたが、暖かく謙虚な姿勢と穏やかな言葉やユーモアでピリピリした会場の空気は一挙に和らぎ、聴衆の笑い声も聞こえました。物議をかもす話題をどのように解決していくかを、感情的にならず、攻撃的な言葉を用いず述べること。そうです。不快な問題を情け深く取り扱うことが大切なのです。
忘れない
戦没将兵追悼記念日になると、兵士たちに思いを馳せますが、特に父と叔父のことを思い出します。ふたりとも無事に家族のもとに帰りましたが、多くの人が、愛する家族を戦場で亡くしました。しかし、当時、兵士となった人たちは、家族を守るため、また自分が正しいと信じることのために、命をささげたと語っています。
おしゃべりテーブル
孤独は幸福感を奪う最大の敵のひとつで、健康にも悪影響を及ぼします。一時期であっても寂しいと感じる人は、年齢や性別にかかわらず人口のほぼ3分の2に上るという研究結果もあります、あるイギリスのスーパーは店内のカフェに「おしゃべりテーブル」を設置して、自由に雑談ができるようにしました。人と交流したい人は、おしゃべりテーブルに行って人の輪に入るか、入りたいという意思表示をすればよいのです。雑談によってつながりができ、仲間意識が芽生えます。
語り部
昔話の「むかし、むかしあるところに」という語りは、古今東西、力ある言葉と言ってよいでしょう。子どもの頃、その言葉に何度も引き付けられた思い出があります。
聖霊に波長を合わせて
グランドピアノの調律を見ていて、それが「ワルシャワ協奏曲」や「輝く日を仰ぐとき」などの素晴らしいメロディーを奏でた日々を思い出しました。しかし今は、調律が必要です。正しいピッチもありますが、半音高かったり、低かったりというものもあり、全体ではひどく耳障りです。調律師の仕事は、すべての鍵盤に同じ音を出させることではなく、各々の異なった音が音程と音階を形成するように調和させることです。