Category  |  人間関係

触れる力

ポール・ブランド博士は20世紀の医療開拓宣教師です。任地のインドでハンセン病の患者の社会的苦境を目の当たりにしました。ある患者の身体に手を触れ、治療は可能だと言うと、その人は涙を流しました。付き添いの人は「先生は彼の身体に触りました。彼はもう何年も人の手のぬくもりを知りません。あれは喜びの涙です」と言いました。

反映し、投影する

画家シーギスムンド・ゲーツは「さげすまれた男」という作品で、ヴィクトリア朝時代の英国民を愕然(がくぜん)とさせました。その絵は、当時の英国民と思しき人々が死刑台で苦しむイエスを取り囲んでいます。しかし彼らは、商売や政治、恋愛など、自分のことに心を奪われ、救い主の犠牲に無関心です。イエスの十字架を見ていたユダヤ人同様、絵の中の人たちは、自分が見落としたものを分かっていませんでした。

私たちにできること

モーリー・ブーガート氏は92歳で、一人でベッドから降りることができませんが、ホームレスのために帽子を編み、その数は15年間で8千個以上です。彼は、「自分の問題に焦点を当てず、人のためにできることをする。そうすれば、自分の気分も良くなるし、目的も与えられる」と語りました。そして「主のもとに行くまで続ける」と言っていましたが、2018年2月に召されました。帽子をもらった多くの人は、ブーガート氏の犠牲を知りませんが、最後まで愛を貫いた彼の生き方は、世界中の人たちに影響を与えました。

父と子

私の父は良い父親で、私も大方のところ素直な息子でした。しかし、父に心を見せていたとは思いません。父は無口な人で、私もそうでした。私たちはよく並んで何時間もともに働きましたが、会話はほとんどありませんでした。父は何も尋ねず、私も自分の希望や夢、不安や恐れを明かすことはありませんでした。

申し訳ない

マックギーは冤罪で4年間服役しました。コリンズが2005年にある報告書を改ざんしたためです。無罪が証明されたのは、すべてを失った後でした。彼は復讐を誓いました。一方、コリンズは多数の報告書を改ざんしたことが発覚して解雇され、服役しました。ふたりは各々、刑務所でキリストと出会いました。

あなたの町を見よ

デトロイト市の都市開発グループが「私たちの視点で町を見よう」というキャンペーンをして将来の構想に着手しました。ところが、市民が違和感を主張してプロジェクトは突然中止されました。市の住民や労働者の大半は、アフリカ系アメリカ人です。それなのに、自分たちの視点で町を見ようと促す垂れ幕や広告板には白人ばかりが描かれていました。

共感疲労

第二次世界大戦中、家族と隠れ家で暮らした日々を綴った日記で有名なアンネ・フランクについて、ナチスの強制収容所生活を共にした人たちは「アンネの共感の涙は決して枯れることなく…、周りの人にとって祝福の存在だった」と語りました。学者のケネス・ベイリーはここから、アンネは「共感疲労」していなかったと結論づけています。

思いがけない親切

友人がスーパーのレジに並んでいると、前の人が10ポンド(1500円)の割引券をくれました。寝不足で疲れていたせいか、彼女は不意の親切に泣き出し、今度はそんな自分がおかしくて笑ったそうです。思いがけない親切は、疲れ切った心を潤し元気をくれました。そして、赤の他人を通して良くしてくださった主に感謝しました。

ボートを持って来よう

ハリケーン•ハービーは2017年、テキサス州東部に猛烈な雨を降らせ、壊滅的な洪水をもたらし、何千人もの住民が自宅に取り残されました。その際「テキサス海軍」と呼ばれた働きを推進させたのは、多くの一般市民です。彼らは州の他の地域や州外から自分のボートを持って来て、被災者を救助しました。