触れるだけで
短期医療宣教チームの一員として東アフリカの奥地に行くチャンスが与えられましたが、カイリーは不安でした。初歩的な医療処置はできますが、医者でも看護師でもなかったからです。
怒る代わりに
ある朝、フィオン・マルホランドは自分の車が無くなっているのに気づきました。うっかり駐車禁止区域に止めたため、放置車両と見なされ牽引されたのです。オーストラリアの西海岸の都市パースでのことでした。状況からして、彼は5~6万円ほどの罰金を支払うことになるでしょう。マルホランドはかなり落ち込みましたが、車を引き取る際は冷静でいようと決めました。彼は、この状況を描写したユーモラスな詩を書き担当者に見せました。その人は詩を気に入り、険悪な雰囲気になることもなく車を引き取ることができました。
言語を学ぶ
私は小さなジャマイカの教会で、「ワ・グワン・ジャマイカ?」と会衆に語りかけました。反応は予想以上で、笑顔と大きな拍手で応えてくれました。私はただ、パトワ語で「最近、いかがですか?」と挨拶しただけです。しかし、彼らの耳には「みなさんの方言を学ぶほどに、みなさんのことを思っています」と聞こえたのかもしれません。もちろん、それ以上のパトワ語はまだ知らないのですが、人間関係の扉は開かれました。
あきらめないで
信仰の先輩で50年来の友であるボブ・フォスターは、私を支え続けてくれます。人生最悪の時でさえ、彼の友情と励ましに助けられました。
与えるという贈物
人助けに関して、着ているシャツさえも脱いで…という言い回しが英語にありますが、ある牧師が「自分のコートを脱いで暖かい服の必要な人にあげましょう」と礼拝で提案しました。そして、自分のコートを脱いで教会の前に置きました。皆は一瞬、引いてしまいましたが、20~30人ぐらいの人が牧師に倣ってコートを置きました。外は冬空で、その人たちは震えながら帰宅しましたが、コートをもらった人たちは、少しだけ暖かい冬を過ごせました。
甘い香り
作家のリタ・スノーデンが、英国ドーバーのカフェの庭でお茶を飲んでいると、甘い香りが漂ってきました。どこから来るのかと店の人に尋ねると、道行く人からだと言います。村人のほとんどが近くの香水工場で働いているので、仕事帰りの人が道を通ると、残り香が漂って来るのだそうです。
なぜ赦すか
友人に裏切られたとき、彼女を赦すべきだと分かっていても、できるだろうかと思いました。鋭い言葉が心に突き刺さり、怒りと痛みで心が震えました。話し合いの後、私は赦すと言いましたが、その自信はありませんでした。彼女を見るたびに古傷がうずき、長い間、まだ恨んでいるのだと分かりました。しかし、ついに祈りは応えられ、きれいさっぱりと忘れることができました。やっと解放されたのです。
ベストフレンド
私は12歳のとき、家族といっしょに砂漠の小さな町に引っ越しました。体育の授業の後は喉がからからになるので、クラスの皆は水飲み場に駆け出します。けれども私はきゃしゃで童顔だったので、水飲み場の列から押し出されることがありました。ところがある日、大柄で力の強い友だちのホゼが「おい、バンクスの番だろう」と言って、身体を張って守ってくれました。それ以後、水飲み場の問題は解消されました。
同情する心
混雑した遊園地でミュージカルを見ることになりました。一緒にいた7人で並んで座ろうとしていると、ひとりの女性がさっと横から割り込んできて座りました。そこで妻が、自分たちはバラバラになりたくないと言ったのですが、彼女は「もう座っちゃったから」と言い、仲間のふたりに手招きをして横に座らせました。