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つづく

新約聖書の5番目に登場する「使徒の働き」は、イエスに任命された人たちのもとで、キリストの教会がどのように成長していったかの記録です。この書を「聖霊の働き」と名づけることができるという学者もいます。なぜなら、イエスに任命された人たちはさまざまな困難に直面するのですが、聖霊の力が、彼らを勇気づけていたからです。

イエスは天に上って行かれる直前、ご自分が選んだ人たちに対して、「聖霊があなたがたの上に臨まれるとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリヤの全土、および地の果てにまで、わたしの証人となります」と告げられました(使1:8)。このお言葉とともに、神の御業の物語の一章が終わり、新たな章が始まりました。神の御業の物語は今も継続中です。そして、私たちはその一部です。

「使徒の働き」には、ペテロ、ヨハネ、バルナバ、パウロ、ドルカス、ルデヤ、そのほか初代教会の時代に生きた大勢の忠実な証し人たちが描かれています。彼らは普通の人たちでした。神に頼って力をいただき、神のみことばを広め、神の愛を実践していきました。

この物語は、私たちによってつづいていきます。神を信じ、神に従い、イエスをみんなに知ってもらおうとする人たちの人生があるとき、神の贖いの物語に新しいページが加えられていきます。

ああ、見えてきた

デボラ・ケンドリックは、ブロードウェイ・ミュージカルの大ファンですが、目が不自由なのでステージ設定や登場人物を理解するのに苦労します。しかし最近、Dスクリプティブという最新技術を使ったミュージカルを見ました。これは、小型FM受信機を通してステージの視覚的要素の説明が聞けるというものです。録音ナレーションは照明や音響設備に接続されていて、ショーの進行に沿って、ステージのセットや出演者の動きを知らせてくれます。デボラはその経験について、コロンバス・デスパッチ新聞に次のように投稿しました。「先週、ニューヨークのショーを『見た』かと聞かれたら、『しっかり見ましたよ』と心から言うことができます。」

彼女の体験を読んで、これは聖霊の働きについて説明する良い例だと思いました。イエスは、十字架にかかる直前に「助け主、すなわち、父がわたしの名によってお遣わしになる聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます」とおっしゃいました(ヨハ14:26)。聖霊は、私たちが神のみことばを理解しようとするとき、助けてくださいます。

聖書を開いて読んだり、学んだりするとき、真理の御霊が来て、すべての真理に私たちを導き入れてくれます(ヨハ16:13)。私たちは自分だけでは見えませんが、神の聖霊に導かれると見えるようになります。

新ルートを検索

大丈夫、道は分かってるからと言ったのに、人間そっくりの声が「新ルートを検索します」と横槍を入れてきました。やれやれ、これで道に迷っていると同乗者にバレてしまいました。

「新ルートを検索します」の声を聞くと、車を運転する人なら誰でも、角を曲がりそこねたり、道を間違えたりしたのだと分かります。カーナビは、道を外れたことを探知するだけでなく、正しい道に戻るためのルートをすぐさま検索してくれます。

クリスチャンも時として、(霊的な意味で)歩むべき道に戻るために、助けが必要になります。自分にとっての最善は自分が一番よく知っていると主張して、わざと道を外れる人があります。また、神がともに歩みたいと願っておられる道から、だんだん離れて行っているのに、そのことに無頓着な人もいます。

けれども、神はそんな私たちを放ってはおかれません。神はすべてのクリスチャンに聖霊をくださいました(ヨハ14:16-17、Ⅰコリ3:16)。その聖霊は、私たちの罪を指摘されます(ヨハ16:8、13)。私たちが道をそれかかると警告を発して、私たちの良心を呼び起こされます(ガラ5:16-25)。神の警告を無視するのはその人の勝手ですが、そんなことをすれば、結局は自分の身に損失を招きます(イザ63:10、ガラ6:8)。

「罪を示す」という聖霊の働きを通して、神が私たちの生き方に働きかけてくださるのは、何と安心なことでしょう(ロマ8:26-27)。神の助けと導きによって、私たちは神に喜ばれる歩みを続けることができます。

単独飛行

1年で聖書を!
◆ エゼキエル書31-33
聖書のみことば ヨハネ14:15-27
 
あなたがたは神の神殿であり、神の御霊があなたがたに宿っておられることを知らないのですか。―Ⅰコリント3:16

チャールズ・リンドバーグは1927年5月20日から21日にかけて、大西洋単独無着陸飛行をしました。大西洋を飛行機で横断した人たちはそれまでにもいましたが、単独でこれを成し遂げた操縦士はひとりもいませんでした。これは、航空史上初の快挙でした。パリのル・ブルジェ空港に着陸するとリンドバーグは、拍手喝采する大勢の人に取り囲まれました。アメリカに帰国すると、祝賀パレードや勲章の授与といった栄誉を受け、孤独に耐え抜いた勇気と精神力がほめたたえられました。

リンドバーグの単独飛行は危険でしたが、この世の人生は、それ以上に危険だといえます。しかしクリスチャンは、人生の旅路を単独飛行する必要は決してないという事実に励まされ、慰められます。十字架につけられる前夜、主イエスは、決して私たちを見捨てることをせず、私たちに聖霊を与えてくださり、いつも共にいてくださると約束してくださいました(ヨハ14:16-17)。そして使徒パウロは、「あなたがたは神の神殿であり、神の御霊があなたがたに宿っておられることを知らないのですか」と語っています(Ⅰコリ3:16)。

聖霊は私たちの内に住んでおられ、主の平安と慰めを与えてくださいます(ヨハ14:26-27)。ですから、絶望と苦難に満ちた世界で、私たちは勇気を奮い起こします。「単独飛行」をすることは決してありません。何とありがたいことでしょう。

(Bill Crowder)

内に住まわれる御霊が、私たちが決してひとりでないことを保証してくれる。

見えない不思議なもの

1年で聖書を!
◆ 箴言1-3
聖書のみことば 使徒2:1-11
 
突然、天から、激しい風が吹いて来るような響きが起こり、彼らのいた家全体に響き渡った。―使徒2:2

全米のみならず世界の各地が、かつてない自然災害の脅威にさらされています。たとえば、2011年には、アメリカのいくつかの都市が巨大な竜巻に襲われました。ビジネス街も住宅街も、何もかもが吹き飛ばされてしまいました。

神の声に耳を傾けているか

1年で聖書を!
◆ Ⅱ歴代誌30-32
聖書のみことば ヨハネ16:7-15
 
聖霊は、あなたがたにすべてのことを教え、また、わたしがあなたがたに話したすべてのことを思い起こさせてくださいます。―ヨハネ14:26

子どもの頃、夏になると1~2週間ほど祖父母の家で過ごしていました。家の前の通りは、線路で行き止まりになっていました。そういう立地だったので、到着した最初の晩は、貨物列車が通過する音や警笛の音で夜中に何度も起こされました。

クリスマスの霊

1年で聖書を!
◆ レビ記14-16
聖書のみことば ルカ1:31-41
 
聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。
―ルカ1:35

クリスマス・チャリティーや歳末助け合い運動の募金は12月の恒例行事ですが、その期間が終了すると、困っている人を助けようという機運はしぼんでしまいます。「クリスマスの慈善の精神を一年中持っていられたら良いのにね」と話し合う人もいますが、なぜ慈善や親切がカレンダーに縛られているのでしょう。

聖霊を悲しませる

1年で聖書を!
◆ 創世記43-46
聖書のみことば エペソ4:25-32
 
わたしは父にお願いします。そうすれば、父はもうひとりの助け主をあなたがたにお与えになります。その助け主がいつまでもあなたがたと、ともにおられるためにです。―ヨハネ14:16

知らない間に財布からお金が減っていたら、ぎょっとするでしょう。そして、それが我が子の仕業だと分かったら、怒りより悲しみがこみ上げてくるでしょう。「悲しむ」という言葉は、愛する人に失望させられるときの痛みを表現するものでもあります。

職人の技

1年で聖書を!
◆ エゼキエル書16-17
◆ ヤコブ3
聖書のみことば 出エジプト記31:1-5
 
私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。―エペソ2:10

スタインウェイ社を描いたドキュメンタリー番組を見ました。その番組は、優れたピアノを作るこだわりの職人芸を追っていました。木を切ることに始まって最後にショールームに並ぶまで、ひとつのピアノは、熟練工による数え切れない工程を経ています。そのどれもが繊細で精巧なものです。このようにして1年かけて完成されたピアノを、名のある演奏家が試し弾きします。彼らは、このような豊かな響きは、工場の生産ラインで組み立てられたピアノでは決して出せないと言います。秘密はまさに職人技です。