へりくだりの図
イースターの季節に私たち夫婦が出席した教会の礼拝では、「洗足」が行われました。イエスが十字架にかけられる前の晩に弟子たちに示されたことを経験したいと、礼拝の参加者たちが願ったからです。礼拝の中で教会の牧師たちは、無給で奉仕している教会員たちの足を洗いました。それを見ながら私は考えました。今の時代、足を洗うか、足を洗われるか、どちらのほうがへりくだっているのだろう…。ここでは両者の謙遜は、それぞれ異なった形で表れていました。
模範に励まされる
D.L.ムーディーの聖書講座が1800年代後半にマサチューセッツ州で行われたとき、ヨーロッパから牧師たちの一行がやって来ました。当時のヨーロッパの習慣では、ホテルの宿泊客は、寝る前に自分の靴を部屋の外に置きました。ホテルの従業員に靴を磨いてもらうためです。ムーディーはその習慣を知っていたので、外に出してある彼らの靴を見たときに、その必要を他の人に伝えました。ところが、誰も動こうとしません。それでムーディーは靴を全部集め、自ら磨きました。ある日、友人が不意に彼の部屋にやって来て、ムーディーがしていることを目撃しました。するとその話が広がり、持ち回りで靴を磨くようになりました。
誰の手柄か
クリス・ランガンは、アルバート・アインシュタインより高いIQの持ち主です。ムスタファ・イスマイルの上腕二頭筋は約80センチで、約270キロを持ち上げます。ビル・ゲイツの資産総額は数兆円だと言われています。並外れた才能や莫大な財産を持っていると自分を過大評価しがちかもしれませんが、そうでなくとも、私たちはみんな自分の功績を認めてもらいたいと願っています。どんなに小さなことでも成果が上がると、人の心には「誰の手柄だろう」という疑問がわきます。
見下ろす
ちょっとした目の手術を受けたときのことです。看護師に「術後2週間は下を見ないでください。料理も掃除もダメです」と言われました。下を見ることで切開部に圧力がかかり、傷口が開いてしまわないようにと看護師はそのように言ったのですが、下を見ないというのは案外難しいものです。
自尊心との戦い
古代ローマの将軍が戦争に勝って帰還すると、戦勝パレードが行われました。その行列には軍の兵士たちと一緒に、勝利のしるしとして連れ帰った捕虜や戦利品も加えられました。そして、パレードが町中を通ると、群衆は英雄の成功に喝采をおくりました。