Category  |  おもてなし

見ず知らずの人を歓迎

ダニエル・ナエリの著書『悲しいことはなかったと同じ』は、彼と母、妹が迫害を逃れ、難民キャンプを経て米国にたどり着いた壮絶な実話です。面識の無い老夫婦が保証人になってくれました。彼は今でも、あの感動を忘れられないと言います。「信じられますか。私たちが悪人だったら、彼らは責任を負わされるのです。これほど勇敢で、親切で、無謀なことはありません」と。

サイモン家の思い出

ケニアのニャフルルで満天の星のもと、サイモンの家を訪ねて夕食を共にしたのは大切な思い出です。土の床とランタンの灯りは、一家の貧しさを表していました。何を食べたかは覚えていません。しかし、私たちが彼の家の客人になったことをサイモンがどれほど喜んでくれたかは生涯忘れないでしょう。彼の物惜しみしない手厚いもてなしはイエスの姿を映していました。たましいに触れられ、心が洗われる体験でした。

暖かい歓迎

スティーブに癌が見つかりました。しばらく教会に行けないと分かり「誰がみんなをハグするんだい」と言いました。スティーブは暖かい握手と「聖なる口づけをもって互いのあいさつをかわしなさい」(ロマ16:16)を現代風にした「聖なるハグ」で教会に来る人を暖かく迎えてくれる人です。私たちはスティーブの癒しを祈っています。一方、スティーブ自身は、自分が手術や治療で教会から遠のいている間に、暖かい挨拶が教会でなおざりにならないように願っています。

もてなしの恩恵

我が家に5つの異なる国から来た家族を招待して、いっしょに食事をしたことがありました。それは素晴らしい思い出です。どういう訳か2~3人ずつ組になるという状況にならず、みんなでいっしょにロンドンの生活について話し合いました。その夜、私たち夫婦は与えた以上に多くを受けたと感じました。新たな友情を育み、それぞれの国の異なった視点や異なる文化を学んだのですから。

本当のもてなし

私は1987年にカリフォルニア州のロングビーチの教会に赴任することになり、家族で南カリフォルニアに引っ越してきました。教会の秘書が空港まで迎えに来てくれて、私たちを牧師館まで送ってくれましたが、空港から外に出て最初に目に飛び込んできたものは、「カリフォルニアへようこそ…さあ、とっとと故郷に帰れよ!」という車に貼られたステッカーでした。陽光の降り注ぐ暖かい南カリフォルニアでしたが、その歓迎メッセージは決して温かいものではありませんでした。

さて、私たちもまた、このようなメッセージを周りの人に送ることがないでしょうか。教会や近所付き合い、または趣味の集まりなど、どんなグループにいたとしても、初めての人が居心地よいと感じられるように心を砕くことをせず、放っておいていないでしょうか。

パウロはローマ人への手紙12章13節で「もてなしなさい」と教えました。さらに、ヘブル人への手紙は、「旅人をもてなすことを忘れてはいけません。こうして、ある人々は御使いたちを、それとは知らずにもてなしました」(13:2)と語っています。出会う人たちにやさしく親切にすることで、私たちは、救い主の招きを反映させています。つまり、「御霊も花嫁も言う。『来てください。』これを聞く者は、『来てください。』と言いなさい。渇く者は来なさい。いのちの水がほしい者は、それをただで受けなさい」(黙22:17)と聖書が語るとおりです。

温かくもてなしすることは、天国に続く道を示し、そこに向かって第一歩を踏み出す手助けをすることにつながるでしょう。

招待者リスト

クムランというユダヤ人の共同体が一世紀に存在しましたが、彼らは世俗の影響を受けずにメシヤの到来に備えようと、社会から隔絶して孤高の生活をしていました。彼らは祈りの生活や洗いの儀式、行動規則の遵守に力を入れていました。発掘された文書によると、彼らは目や手足の不自由な人たちを共同体に受け入れなかったそうです。これは、身体に欠陥のある者は誰でも宗教的に汚れている、という信念に基づいており、そのような人たちが食事に招かれることはありませんでした。

その同じ時期、イスラエルの救い主イエス・キリストは、ユダヤやガリラヤの町や村で活動しておられました。父なる神の御国を宣べ伝え、人々を教え、慰め、素晴らしい奇跡を行っておられました。驚くことに、イエスはこう言われました。「祝宴を催す場合には、むしろ、貧しい者、からだの不自由な者、足のなえた者、盲人たちを招きなさい。…あなたは幸いです」(ルカ14:13-14)。

イエスのみことばと、宗教界のエリートであるクムラン共同体の招待者リストは対照的です。そして、それは次のことを教えています。つまり、私たちの交わりは、自分と同じような人、自分と同じ考え方の人、また自分と同じように行動する人同士の交わりになる傾向にあります。しかし主は、私のようにすべての人を受け入れなさいと、強く勧めておられます。

家庭を開放する

1年で聖書を!
◆ 箴言12-14
聖書のみことば 使徒18:1-4
 
自分も同業者であったので、その家に住んでいっしょに仕事をした。彼らの職業は天幕作りであった。―使徒18:3

マックス・ルケードは著書「長生きするには」の中で次のように書いています。「ホスピタリティー(もてなし)は、素晴らしい交流の扉を開く。ホスピタリティーとホスピタル(病院)の語源が同じラテン語なのは偶然ではない。どちらも同じ結果、つまり癒しに至るからだ。

思い出すことは喜び

1年で聖書を!
◆ イザヤ書34-36
◆ コロサイ2
聖書のみことば 詩篇103:1-14
 
わがたましいよ。主をほめたたえよ。主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな。―詩篇103:2

古い友人が90歳の誕生日を迎えようとしていた頃、「バックミラーで通り過ぎて来た道を見るように、人生を少し振り返るときが来たようだ。そして、うるわしい思い出に浸って、何時間も恵みを感謝するときだ。私たちは、神がずっと導いてきてくださったということを忘れがちだけれど、『主の良くしてくださったことを何一つ忘れるな』(詩篇103:2)だねえ」と言っていました。

よき隣人たち

1年で聖書を!
◆ 箴言8-9
◆ Ⅱコリント3
聖書のみことば ヘブル13:1-6
 
あなたがたの天の父があわれみ深いように、あなたがたも、あわれみ深くしなさい。―ルカ6:36

アメリカ合衆国の空域が同時多発テロで封鎖されたので、2001年9月11日、すべての航空機は、最も近い空港に着陸せざるをえませんでした。その日、40機あまりの飛行機が、ニューファンドランド島のガンダーに着陸しました。このカナダの小さな町の人口は、恐怖に怯えた何千人もの乗客によって、あっという間に、ほぼ倍になってしまいました。島の人々は自分たちの家庭を開放し、行政は学校や教会、集会所などを整えて宿泊施設にしました。立ち往生していた乗客たちは、住民たちの親身な世話に感動したそうです。