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寒さの中で

住宅支援サービスで働いていたときのことです。切羽詰まった声で電話がかかってきました。借家の暖房が壊れて、家の中は冷凍庫みたいだといいます。幼い子どもがいるのだと、声の主はパニックです。私は、ホテルに泊まって代金を大家に請求してくださいと、マニュアル通りに答えました。

友と私

昔コンスタンティノープルの主教を務めたヨハネ・クリソストム(347~407年)は、友情について次のように語りました。「友情とはこのようなものである。すなわち、友情を通して、その土地や季節を愛する。花が周囲にかぐわしい花びらを散らすように、友は、友がいるというだけで、その土地を好きにならせてくれる。」

愛が根を張る

神の創造の業の壮大さには驚かされるばかりですが、特にジャイアント・セコイアについては畏怖を感じます。カリフォルニアの森林には、直径6メートル、高さ約90メートルにもなる巨木があります。樹齢3千年以上の木もあり、耐火性さえ備えています。山火事が起きたとしても、球果が熱で開いて種子が地に落ち、灰から栄養分を吸収して成長します。根の深さは1メートルにも満たないのに、セコイアは強風に耐えられます。その秘訣は、セコイアの木々の根が互いにからみ合い、支え合うからです。実に驚くべきことばかりです。

知られる

私たち人間にとって、最大の葛藤のひとつは、人に知られたい、でもやっぱり知られたくない…というものです。私たちは神の姿に似せて造られているので、知られるために造られたと言えます。しかし、罪によって堕落してしまったために、誰もが他人には知られたくない罪や弱さを持っています。

ボルトとブレーク

ジャマイカのウサイン・ボルトとヨハン・ブレークは、2012年、ロンドン・オリンピックの100メートル、200メートル走でともに金・銀メダルを取り、歴史に名を残しました。トラック上ではライバルであっても、ボルトはトレーニングパートナーであったブレークをたたえて「何年もの間、ヨハンと切磋琢磨してきました。彼のおかげで、気を抜くことなく、全力で練習できました」と語りました。この言葉から、ふたりがトラックの上で成功できるよう、互いに刺激しあってきたことがわかります。

ご近所さん

家の周りのフェンスがかなり傷んできたので、私たち夫婦は倒れる前に取り外すことにしました。取り外すのはとても簡単で、ある日の午後、ふたりで作業をするとあっという間に終わりました。数週間後、夫が庭を掃いていると犬を散歩させていた婦人が立ち止まって、「このお庭は垣根がない方がずっといいわね。それに私、フェンスには反対なの」と言いました。彼女は「コミュニティ」(共同体)を大切にしたいので、人を隔てるものは欲しくないのだそうです。

友情

友情は人生に与えられた最高の贈物のひとつです。真の友は、相手のために特別良いものをささげます。人生にとって最高に良いものとは、主を知り、心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして主を愛するようになることです。ナチスの時代に殉教したドイツの牧師、ディートリッヒ・ボンヘッファーは「友情の目指すところはもっぱら、神があなたの友に何を望んでおられるかによって決定づけられる」と言いました。

ダビデの友、ヨナタンは真の友情のよい模範です。サウルがいのちをねらって出てきたとき、ダビデは流浪の身でジフの荒野に隠れていました(Ⅰサム23:15)。ヨナタンはホレシュにダビデを探しに行き、ふたりは再会します。ここで重要なのは、ヨナタンが来た目的です。彼は、ダビデが神にあって力づけられるように助けようとしました。聖書が「神の御名によってダビデを力づけた」と語るとおりです(16節)。

これがクリスチャンの友情の本質です。気が合ったり、共通の趣味があったり、話をしたり、笑ったりというだけでなく、永遠のいのちのみことばを相手の心に植えて、神の知恵を思い出させ、みことばで心をリフレッシュさせ、神の御名によって力づけるという関係です。

友のために祈り、友にかけるふさわしい言葉を主が与えてくださるように願いましょう。友が主とみことばから新たな力を得ることができるように、時にかなった言葉を、あなたの口に上らせてくださいますように。

すがすがしい率直さ

母の良いところはたくさんありますが、率直なところは特に好きです。母の意見を聞こうと電話をすると、彼女はこう言います。「本当に私の意見を聞きたいのでないなら、聞かないでちょうだいね。あなたに気をつかって、色よいことを言ったりしませんよ。本当に思っていることしか言いませんからね。」

世の中には、保身のために言葉をあいまいにする人が多いので、彼女の率直さは、すがすがしい気分にしてくれます。率直さはまた、真の友情の特質です。真の友は、真実を優しい態度で告げてくれます。たとえそれが、耳障りなことでもです。箴言も「…愛する者が傷つけるほうが真実である」と語っています(箴27:6)。

真実を優しく告げてくださることは、イエスが最高の友であるひとつの理由です。サマリヤの女が井戸端でイエスに会いました。イエスは、どちらでもよいのに意見が対立している小事にはかかわらず、彼女の心の深い部分にある一番大切なことを取り上げられました。イエスは、神は霊ですからと語って信仰のチャレンジを与えられました。また、この女性は、人生の夢が破れて深い失望の中にいましたが、イエスは、そのことについても優しく語りかけられました(ヨハ4:7-26)。

神とともに歩むとき、神が聖書のみことばを通して、私たちの本音に率直に語りかけてくださいますように。悲しみや苦しみの中にいるときも、神と向き合い、神の恵みによって助けられますように。

友の恵み

1年で聖書を!
◆ 民数記31-33
聖書のみことば 伝道者の書4:9-12
 
ふたりはひとりよりもまさっている。ふたりが労苦すれば、良い報いがあるからだ。―伝道者の書4:9

キケロはローマ帝国の偉大な思想家でした。彼は優れた演説家、弁護士、政治家、言語学者、また作家でした。彼の明確な文章と実践的な知恵は、今でもよく引用されます。