重荷を下ろす
大学生の頃、シェイクスピアの作品を学んだ時期がありました。教科書はその全作品を網羅した重さ数キロの大きな本でした。授業のある日は、それを何時間も背負って学内を移動します。それで腰を痛め、やがてカバンの金属製のファスナーも壊れてしまいました。
罪悪感と解放
やっていないとうそをつき、逃げ切ろうとしましたが、神に止められました。中学生の頃、吹奏楽部の演奏中に後ろから口の中でかんで固めた紙くずを投げた生徒の1人でしたが、元海兵隊員で厳しい罰を与えるという評判の校長が恐ろしく、うそをついたのです。そして、父にもうそをつきました。
寛大な愛
米国の退役海軍大将ウィリアム・マクレイブンの大学卒業式の祝辞は、動画再生回数が1億回に達しました。それは「世界を良くしたいなら、自分のベッドを毎朝きっちり整えるところから始めなさい」というものですが、彼は他にも説得力のある教訓を語っています。それは中東での軍事作戦で、無実の人々が誤って殺された時のことです。彼は間違いを認め、真摯(しんし)に謝罪しようと決意すると、通訳を介して故人の父親に伝えました。「私は軍人です。しかし、私にも子どもがおり、あなたの心中をお察しします」。彼は家族から「赦し」という寛大な恵みを受け取りました。生き残った別の息子は「ありがとうございます。私たちはあなたを恨みません」と応えたのです。
清めをもたらす告白
彼は、自らの死を悟った人に雇われます。その仕事は、故人が守り続けた秘密を葬儀で明かすことです。弔辞を中断させた経験もあります。彼の話をさえぎろうとする司式者に座るように促したこともあります。ある時、棺に眠る人は宝くじに当たって大金を得たことを誰にも言わず、事業に成功したかのように何十年も振舞っていた、と打ち明けました。不倫の事実を未亡人に告げたことは、何度もありました。これを身勝手というか、誠意というか、いったいどちらでしょう。しかし、確かに言えることは、故人は生前の罪から解放されたかったのです。
思いやるということ
イザヤは少年野球の地区大会で頭部にデッドボールを受けました。地面に倒れ頭を抱えていましたが、ヘルメットのおかげで幸い大事には至りませんでした。試合再開。しかし、相手チームの投手が危険行為をしてしまったことに動揺しているのは明らかでした。イザヤは、それに気付くと、素晴らしい行動をし、その映像は瞬く間にネット上に拡散されました。彼は投手に向かって歩いていくと「大丈夫」というように、彼をハグしました。けんかになりかねない状況で、イザヤは思いやりを選択しました。
聞くのに早く
親しい友人の批判に反論しようとして、鼓動が速くなるのを感じました。私がネットに書いたのは、彼女のことではありません。しかし、反論する前に小さく祈りました。すると心が落ち着いて、彼女の言っていることや、彼女が傷ついた理由が分かってきました。明らかに表面的な問題ではありません。友人は傷ついていました。私は、彼女がその痛みを言葉にできるように助けようと思いました。そう決めると、自分を守る必要は無くなりました。
特有の泣き声
赤ちゃんが泣くのは、疲れたか空腹の合図だと思いませんか。しかし、ブラウン大学の医師たちは、新生児の泣き声の微妙な違いに他の問題の重要なヒントが隠れていると言います。彼らは、泣き声の音程、音量、音の透明度を計るコンピュータープログラムを開発しました。それによって、赤ちゃんの中枢神経系の問題を察知するのです。
警告という思いやり
インドネシアのスマトラ島が、2010年、大津波に襲われ、400人以上が亡くなりました。しかし、津波警報システムが機能していれば、死亡者はゼロか最小限に抑えられたはずでした。津波検知のブイは外れて流されていたのです。
和解の関係
子どもの頃、妹とよく姉妹(きょうだい)げんかをしましたが、その一つをはっきり覚えています。互いにののしり合う中で、妹は当時の私が赦せないと思うような発言をしました。私たちのいがみ合う様子を見た祖母は、互いを愛し合う責任があると諭しました。「神様が下さったたった2人の姉妹よ、もう少し優しくしなくてはいけないでしょ」と言いました。相手に対する愛と思いやりを下さいと2人で祈ったところ、自分がいかに相手を傷つけたかが分かり、赦し合うことができました。