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生きる目的

妻を亡くし、隠居の身。子どもたちは巣立ち、家庭を持って忙しくしている。静かにぼんやりと日々をやり過ごしている。「もう十分に生きた。これといった目的もない。いつ天に召されてもいい」。ハロルドは娘にそう話していました。

深い水

アフリカ系アメリカ人のビル・ピンクニーが、1992年、南半球の南端岬を巡る困難なルートで単独世界一周航海を敢行した背景には、子どもたちを励まし、教育するという高貴な目的がありました。その中にはシカゴのスラム街にある彼の出身校の児童たちもいました。彼は、やり遂げると決意し一生懸命勉強するなら、必ず何かを成し遂げられることを見せようとしたのです。船の名は決意を表す「コミットメント」でした。彼は子どもたちをコミットメント号に乗せて海に出ます。子どもたちは、かじを握ることで、ボートの制御や自制、チームワークなど、人生で成功するために必要な基本的なことを学ぶといいます。

隣人を愛しなさい

日曜学校でゲームをしました。隣人を取り替えず、今、隣にいる人を愛することを学ぶゲームです。まず、皆が大きな輪になって座り、1人だけが輪の中央に立ちます。立っている人は座っている人に「あなたは隣り人を愛しますか」と尋ねます。聞かれた人は「はい」か「いいえ」で答えて、自分の隣の人を別の人に交換するかどうかを決めるのです。

惜別の言葉

米国の著名な公民権活動家ジョン・M・パーキンスは人生の終わりに語りました。「悔い改めだけが神に立ち返る方法です。悔い改めなければ、あなたたちは滅んでしまう」

孤独な時

夕方7時、ホイリャンは台所で残り物を食べていました。すると、一家だんらんの笑い声が静寂を破りました。アパートの隣の部屋に住むチュア一家の夕食が始まったようです。ホイリャンは、妻が亡くなってから一人暮らし。今や孤独を道連れに生きることを学び、当初の刺すような痛みは、鈍い慢性痛になりました。しかし、なぜか今夜は、一つの茶わんと一膳の箸しかない食卓の光景に心をかき乱されたのです。

敵に燃える炭火を積む

ダンは看守に虐待されていましたが、この人を愛しなさいとイエスが命じておられると感じたので、ある朝、殴られる前に、こう言いました。「この先、一生、毎日、会うのなら、友人になりたいです」。看守はごめん被ると言いましたが、彼は「ぜひ!」と、友愛の手を伸ばしました。すると看守は固まり、震え出し、ダンの手をぎゅっと掴みました。彼の頬を涙がつたい、「ダン、私はロゾックだ。友だちになりたい」と言いました。その日を境にロゾックが手を上げることはありませんでした。

本物の宗教

大学2年の時、学友が急死しました。私たちは皆、大学の友愛会に入って絆を結び、人生最良の青春の日々を謳歌(おうか)していたはずでした。彼は数日前まで元気だったのです。悲しい出来事でしたが、その時の最も大切な思い出は、友愛会の男子たちが使徒ヤコブの言う「きよく汚れのない宗教」(ヤコ1:27)を実践したことです。彼らは亡くなった友人の妹に対して、兄のように行動しました。全員、彼女の結婚式に出席し、彼の死から何年も経っていたのに、出産祝いのパーティーに駆け付けました。困ったらいつでも連絡してくれと、携帯電話をプレゼントした人もいました。

ゴーカートを修理する

実家のガレージには、いくつもの思い出があります。少年時代の最高の思い出の一つは、ただで入手したゴーカートの修理です。父と一緒にタイヤを交換し、カッコいいプラスチック製のフロントガラスを装着しました。そして、父に見守られて実家の駐車スペースを走ったものです。今振り返ると、ガレージで行われていたのは、単なる修理ではありません。父が息子を教育していたのです。それは神の働きに似ていました。

メール、トラブル、勝利

世情不安や治安の悪さ、不衛生も何のそのと、ジミーは世界の最貧国で働く宣教師夫婦のもとに出かけました。悪戦苦闘は地元の仲間に届くショートメールから分かります。「みんな、祈って! この2時間で10キロしか進んでいない……車は10回以上もオーバーヒートした」。車のトラブルで、聖書の話を待っていた人たちのもとに到着したのは日付の変わる直前でした。彼らは5時間も待っていたのです。次は興奮したメッセージが届きました。「驚くほど素晴らしい交わりだったよ。……祈ってもらうために12人ほどの人が前に出てきた。すごく力をもらった!」