結果は神にゆだねる
かなり前ですが、荒っぽいと噂の大学寮に招かれました。彼らはフットボール大会で優勝して高揚しており、食事時は大騒ぎでした。やがて自治会長が「この人たちが神について話します」と告げ、私は緊張して立ち上がりました。
世の中の問題
後々まで語り草になった話ですが、英国のタイムズ紙が19世紀の終わりに「世の中、何が問題なのだろう」と読者に質問しました。実際、枚挙にいとまがないといったところでしょう。タイムズ紙はたくさんの回答を受け取りましたが、特に卓越した簡潔な答えがありました。作家であり、詩人、哲学者でもあったG.K.チェスタトンの回答で、「私です」の一言でした。責任転嫁が世の常ですから、一服の清涼剤です。
侵入者の駆除
夜が明ける頃、夫が起きて台所に向かい、電気がついたり消えたりするので、何をしているのかしらと思いました。そういえば前日の朝、私は台所に6本足の侵入者を見つけて叫び声を上げたのです。夫が駆けつけて駆除してくれましたが、今朝は早起きをして台所に何もいないと確かめてくれていたのです。何とステキな人でしょう。
主は離さない
フリオが自転車でマンハッタンとニュージャージー州を結ぶジョージ・ワシントン橋を渡っていると、ハドソン川に飛び込もうと欄干に立っている人がいました。彼は警察を呼んでも間に合わないと判断し、自転車を飛び降り、駆け出しました。両手を広げ、「ダメだ!君は愛されているんだ」と叫びながら。そして、男性を捕まえると、暴れる彼を通行人と一緒に救出しました。フリオは安全な場所に下りても、その人を離さなかったそうです。
砂漠の火
チワワ砂漠を進んでいたカウボーイのジム・ホワイトは空へ立ち上る不思議な煙を見つけました。1800年代末期のことです。野火を疑い、その方角に馬を走らせると、正体は、地面の穴から飛び出すおびただしい数のコウモリでした。彼は巨大なカールズバッド洞窟群に遭遇したのです。
決着がついたように生きる
小野田寛郎は、第二次世界大戦の際、フィリピンのルバング島にスパイとして送られました。そして、敗戦となって平和条約が締結された後も、それを信じず隠れていました。大戦終結から29年間、ジャングルに潜んでいたのです。しかし1974年3月、当時の上官が現地におもむき、投降するよう説得しました。彼は長年、不自由な生活をしましたが、それは、戦いに決着がついたと信じず、降伏を拒んだからです。
すべてを洗い流す恵み
アマゾンのスマートスピーカー「アレクサ」には、言われたことをすべて消去する機能があります。「今日言ったことを消しておいて」と言えば、アレクサに頼んだことや、集めてもらった情報などを、すべてなかったことにできます。しかし実生活は違います。失敗や失言を消去することはできません。
王族の役割
王位継承順位が高い人は世間が注目しますが、低位の人は通常、忘れられています。英国では、60人近くの人が王位継承権を持ち、フレデリック・ウィンザー卿の順位は49番目です。金融アナリストを生業としています。王族でも公務はないので、公費は出ません。静かに生活し、脚光を浴びることもありません。
新たな人生の愚かさ
その時が来るまで分からないということがあります。最初の子どもを妊娠した時、出産に関する多くの本を読み、何人もの経験談を聞きましたが、なかなか想像はできませんでした。自分の中からもう一人の人間が出てくるなんて不可能に思えました。