Category  |  神、品性

全て赦される

ヘミングウェイの短編小説に、疎遠な息子と再会したいスペイン人の父親の話があります。彼は地元紙に次のような広告を載せます。「パコ、火曜日の正午にモンタナホテルに来てくれ。全て赦(ゆる)すから」。すると、800人の「パコ」がやって来ました。この物語のテーマは人の心の奥底には赦されたいという願いがあるということでしょう。それはイエスのたとえ話を想起させます。放らつな生活を求めて家を出た若い男性はやがて窮地に陥ります(ルカ15:13-14)。そして「我に返って」家に戻ると(17節)、父は駆け寄ってきて、彼に謝罪を口にする間さえ与えず、抱きしめます(20節)。父は「この息子は、死んでいたのに生き返り、いなくなっていたのに見つかった」と喜びました(24節)。この物語で、父は神を表し、息子は私たちを表します。私たちが神の元に戻るとき天の御国は喜びに湧くのです。

決して見捨てない

米国運輸省の報告によると、米国の航空会社は、2021年、200万件の荷物を紛失しました。大半は短期間で見つかりましたが、数千件は未解決のままです。荷物に付けるGPS装置が人気なのも分かります。航空会社が諦めても自分で追跡できるのですから。人々は、大切な荷物を任せた人が信頼できないかもしれないと不安です。

深遠な神

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が、2023年2月、またも大発見をしました。人類が今までに垣間見ていた宇宙の向こうに、新しい六つの銀河を発見したのです。この発見は、宇宙に関する多くの定説を覆すことになりました。ある天文学者は「あまりに予想外の発見で、科学にとって大問題だ」と述べました。また「知らなかったことは、悪いことではない」と言い訳のように述べた天文物理学者もいました。

神の気前良さに応える

リディアは匿名で1万ドル(約150万円)を寄付されましたが、自分のためにはほとんど使わず、家族や同僚のために使ったり、被災者支援や慈善団体に気前良く寄付しました。彼女はそうとは知らずに、無条件で1万ドルを受け取った200人の反応を調査する研究に参加していたのです。この調査の結果、贈られたお金の3分の2以上が寄付されたことが分かりました。非営利団体TEDの代表クリス・アンダーソンは、この例を取り上げて「私たち人間は、太っ腹な行為には太っ腹な行為で応えるようにできている」と語りました。

神の約束と虹

ナイアガラの滝の迫力に魅了されていると、周りの観光客が、突然写真を撮り始めました。川を横切るように虹が架かったのです。それはカナダ滝の滝つぼから始まり、アメリカ滝の滝つぼで終わっているようでした。しかし、実は虹に終わりはありません。一度だけ見たことがあるのですが、虹は円形なのです。

神は御顔を向ける

ジョアニーの夫は、妻と幼い子どもたちを捨てて、他の女の元に去りました。「時々、透明人間みたいって思う」。彼女の言葉は空しく響きました。「人生の最も良い時を彼にささげた。今では、私のことを見たり、時間を取って知ろうとする人もいないでしょう?」友人は気の毒に思うと答え、こう続けました。「私の父も私が6歳の時に出ていったからつらかった。特に母は。でも、ある夜、私を寝かしつけながら『神さまは決して目を閉じないよ』って言ったことを、決して忘れない。少し大きくなると、神は私を愛していて、常に、私が眠っている時でさえ、見守ってくれていることを教えようと思った、って説明してくれたのよ」

低くされている者を愛す

教会に新しい家族が訪れました。私は車いすの少女に膝をついてあいさつし、私の介助犬カリーを紹介し、彼女のピンクのメガネと靴を褒めました。少女は言葉を話しませんが、その笑顔から、この出会いを喜んでいると分かりました。

神の完璧な保護

ディビッド・べッターの愛称は「バブル・ボーイ」。重症複合免疫不全症で生まれ、12歳で亡くなるまで「バブル」と呼ばれる無菌のビニールテントの中で暮らしました。両親は第一子の赤ん坊を同じ病気で亡くしていたので、第二子は守ると決意し、NASAの協力でバブルと宇宙服を制作しました。宇宙服を着せると、息子を抱くことができたのです。何という愛でしょう。

神の手

英国が第二次世界大戦に参戦した1939年のクリスマス。国王ジョージ6世は、ラジオ放送を通して英国と英連邦の人々に語りかけ、母親が大切にしていた詩を引用しました。「闇の中に出て、あなたの手を神の御手に預けよ。それは、あなたにとって、光より好ましく、旧知の道より安全だ」。国王だとて先のことは分かりません。しかし、神が、彼らを導き、支えてくださると信じ、神を信頼しようと皆を励ましました。