霊的な導き
英国の文学賞に輝いたダバ・ソベルの著書「経度」は、昔の船乗りたちの直面していたジレンマが題材です。彼らは、自分たちが赤道の北にいるのか南にいるのか、緯度はどれぐらいなのか、太陽の高さや日の長さから難なく知ることができました。しかし、東西の位置を示す経度を割り出すのは複雑で、信憑(しんぴょう)性にも問題がありました。そんな時代、イギリスの時計職人ジョン・ハリソンが経線儀(クロノメーター)を発明しました。これは「出航した港の正確な時間を世界の果てでも刻み続ける時計」でした。こうして、正確な経度を算出できるようになったのです。
気をつけるべきこと
私は長年、「講演」というラベルを付けたファイルを使っています。ここに、説教や講演に役立ちそうな論文、著名人の名言、分かりやすい例話などをファイルしています。ずいぶん分厚くなったので、時代遅れになったものを捨てようと思って見直しました。ところが、捨てるには惜しいものがたくさんあります。まだ説教に使っていないからではありません。私自身がそのようにできていないからです。私は、「人に教える前に、まず自分が実行しよう」と考えながらファイルを閉じました。
メンテナンス
娘たちに車の運転を教えたとき、車のメンテナンスの基本も教えました。地元のガソリンスタンドに行って、給油するたびにエンジンオイルをチェックするように言いました。それから何年も過ぎましたが、彼女たちは今でも、そのときの私の口癖を覚えています。それは、「オイルは安い、エンジンは高い」というものです。オイルの補充や交換でエンジンの故障を防げるなら、安いものです。
心の食べ物
私は食べることが大好きです。きれいに盛りつけられた料理を見るのも、それを味わうのも大好きです。好きなだけ食べたら、どんどん太ってしまうでしょう。ですから、健康に良いものを適切な分量だけ食べるようにと、妻が優しく諭してくれるのはありがたいことです。
変える力
多くの人はクイズが好きです。最近、同僚たちで聖書クイズをやってみました。私たちは間仕切りのない部屋に座って話していたので、近くにいた人には私たちの会話が聞こえました。それでノアの箱舟からサマリヤの女にいたるまで、クイズの質問の答えがあちらこちらから飛んできました。聖書クイズの質問にどんどん答えてくれるスタッフの声を聞くことは、何とも楽しいことでした。
音楽の力
男声合唱はウェールズの文化に深く根づいています。第二次世界大戦以前には、ウェールズのグリークラブ(男声合唱団)とドイツのグリークラブは良きライバルでした。しかし、戦争を経て両者の友情は敵意に変わってしまい、戦後になってもわだかまりが残っていました。両者は、自分たちの合唱団の間を行き来したトロフィーに書かれていたメッセージによって、徐々に緊張関係を乗り越えていきました。そこには、「友だちだから話そう。兄弟だからともに歌おう」と書かれていたのです。
食欲不振
最近のことですが、ひどい風邪をひいてしまって、あまり食欲がありませんでした。水さえ飲んでいれば、何も食べなくてもお腹がすきません。しかし、それで良いはずはありません。身体は栄養を必要としているのですから、とにかく食べなくてはいけません。
疑い深い人たちの希望
会社でチャプレンとして働いていたので、様々な人と話す機会に恵まれました。キリスト教に不信感を抱いている人たちもいました。この人たちには大きく3つの壁がありました。
盗作
大学で作文の授業を担当したときは、授業中にも文章を書かせるようにします。学生が授業中に書いた文章は、その人自身の作品です。そこから、一人ひとりの学生の「書く声」を分かっていくので、もし他人の作品からの「借用」がいささか過ぎるなら、私はすぐに気づくことができます。学生たちは、作品の内容や表現などは「書く声」であり、自分の肉声と同じように自分独特のものだということを知ると驚きます。口から出る言葉がその人の心を映すように、書く内容や表現の仕方も、その人を映し出します。私たちが書く文章は、私たちの人格を表します。