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森の暗室

トニー・ヴァッカロは撮影を務める通信兵には採用されませんでした。しかし、そんなことは構いません。彼は、森の中で雨のように降り注ぐ砲弾とりゅう散弾の恐怖の中で一般兵として戦いながら、その合間に撮影を続けました。夜、仲間の兵士たちが寝ている間、彼らのヘルメットを借用して写真を現像しました。深夜の森は暗室となり、ヴァッカロは第2次世界大戦の「ヒュルトゲンの森の戦い」の貴重な記録を残したのです。

神を畏れる

恐怖症とは、特定の物事や状況に対して不合理な恐怖を感じることと定義されます。例えば、クモ恐怖症。風船恐怖症やチョコレート恐怖症というものもあります。世の中には400以上の恐怖症があるそうです。つまり、どんなものも恐怖の対象になり得るのです。

渇望と感謝

死ぬまでにやっておきたいことの一つに挙げていた、グランドキャニオンでのハイキングに、2人の友人と出発しました。しばらくすると、水は十分かしらと不安になりました。そして案の定、道のりはまだ長いのに水が尽きてしまいました。浅い息に祈りが交じりました。しかし、曲がり角を曲がった時、奇跡が起こりました。岩の裂け目に3本の水のボトルが、メモと一緒に押し込まれていました。「これが必要ですよね。どうぞ遠慮なく!」私たちは、信じられないと互いに顔を見合わせ、小声で神に感謝をささげ、渇ききった喉を潤そうと、その水を口に含みました。そして、残りの道を歩みましたが、人生であれほど渇いたことも、感謝したこともありません。

私の必要は主が賄う

マニラの乗合タクシーの運転手ランドは、道端の屋台でコーヒーを一気に飲みました。コロナによるロックダウンは終わり、通勤客が戻ってきました。今日のスポーツイベントは稼ぎ時です。失った収入を取り戻せる、もう心配しなくていいのだ、と思いました。

神を見つめる

トーマス・チャーマーズは19世紀のスコットランドの牧師です。ある時、馬車で山岳地帯を進んでいると断崖に挟まれた狭い道に差し掛かりました。1頭の馬が怯えています。御者は落ちれば命は無いと、力いっぱい何度も馬にむちを当てました。危険な場所を通り切った後、チャーマーズがその理由を尋ねると、御者は次のように答えました。「馬の意識を恐怖からそらせるためです。他のことに注意を向けさせる必要があったのです」

恐れる理由

小学生の頃、いじめっ子たちが校庭で幅を利かしていて、私のような子どもたちは抵抗できずにいました。恐れて萎縮していると状況は悪化します。「怖いんだろう。お前を守ってくれる人なんて、誰もいないよ」とすごまれるのです。

七面鳥から逃げる

田舎道でジョギングしていると、野生の七面鳥が2羽、前方にいました。どこまで近づけるかしら。私は足を緩め、止まりました。2羽は、こちらにずんずんやって来ます。成功と思いきや、鋭いくちばしで私の腰とお尻を突こうとしてきました。私が走り出すと、2羽は身体を揺らしながら追いかけてきました。やがて諦めてくれましたが、即座の形勢逆転でした。鳥が先手を取り、獲物がハンターに一変しました。私は鳥を完全にみくびっていましたが、襲われるかもと気付いて逃げ出したのです。

神を信頼する

ホイットニーは出産予定日の6週間前、妊娠による肝機能障害の胆汁うっ滞症だと診断されました。動揺しながらも即入院して治療を受け、24時間以内に分娩誘導すると言われました。ところが、その病院の別の病棟では、新型コロナウィルス感染者の受け入れ準備が進んでいました。その結果、彼女は家に帰されたのです。彼女は、神を信頼しようと決めました。そして、数日後、健康な赤ちゃんを出産しました。

恐れることはありません

スヌーピーの漫画に登場するライナスは、青い毛布を肌身離さず持ち歩いていて、これがないと不安をあらわにします。彼の姉ルーシーは、とりわけこの「安心毛布」を嫌っていて、埋めたり、凧にしたりなどして、捨てようとします。ライナス自身も、毛布に執着してはいけないと考えて手放そうとしますが、結局、できないのです。