危険物
サイレンの音が段々と近づき、トラックが耳をつんざく音を立て猛スピードで通り過ぎました。車のフロントガラスから点滅灯に照らされた「危険物処理」の文字が見えました。後からニュースで化学薬品工場の貯蔵タンクから硫酸が漏れ出たと知りました。大惨事になりかねない緊急事態だったのです。
心からのありがとう
夫のアランは、就活中の息子ザビエルに礼状の書き方を教えました。また、長年企業で管理職をしている経験を生かして模擬面接をしてあげました。そして履歴書をしまっている息子に向かい、面接後に礼状を出すことを忘れないように念を押しました。息子は「分かっているよ。心を込めて礼状を書けば、きちんと対応してくれる、だよね」と言いました。後日、採用するという電話がかかってきたとき、担当マネージャーは、自筆の礼状をもらったのは、長年の経験の中でも初めてで、嬉しかったと言いました。
貪欲を手放す
イソップ寓話に「少年とハシバミ」という話があります。少年はハシバミの実の入った壺に手を突っ込んで、がばっと掴みましたが、手が抜けません。ついに泣き出してしまいました。やがて、少し実を放しなさいと説得され、それに従うと、手を抜くことができました。貪欲を制するのが容易でない場合もありますが、それをいさめる話です。
分かった
ワトソン・ジョーンズ牧師が、子どもの頃の話です。父親に支えてもらって自転車の練習をしていましたが、女の子たちの姿を見て「パパ、もう分かった」と言いました。ところが、ひとりでバランスは取れません。自分が思うほど、成長していませんでした。
神の特別な宝物
王座のある広い部屋を想像してください。偉大な王が玉座につき、周囲には多くのしもべたちがうやうやしく仕えています。王の足元に箱があります。王は時々その中に手を入れ中身を触ります。それは、金や宝飾品、宝石の原石など、王がお気に召す品々、つまり王の宝です。思い描けましたか。
神にかかわる会話
バーナグループの2018年の調査によると、大半のアメリカ人は神について話したがらないと分かりました。信仰にかかわる会話が日常的にあると答えた人は、回答者の7パーセントだけでした。教会に行っている人もほぼ同じで、週に一度ぐらいはするという人でさえ13パーセントでした。
認められたい
作曲家ヴェルディ(1813-1901)は若い頃、認められたい一心で頑張りました。ウォーレン・ワーズビーの記述によれば、処女作のオペラがフィレンツェで演じられたとき、彼は物陰から客のひとりを注視していました。ヴェルディにとって聴衆の反応は大したことではありません。切なる願いは、この男性、巨匠ロッシーニの顔に承認の笑みが浮かぶことでした。
兄息子に自分を見る
作家のヘンリ・ナーウェンは、ロシアのエルミタージュ美術館でレンブラントの絵画「放蕩息子の帰還」を前に、何時間も黙想していました。彼は、時間の経過で変化する光により、いくつもの絵を見たように感じたと言います。それは、傷ついた息子に対する父の愛を、幾重にも表していました。
うるわしい重荷
まだ30分も眠っていないのに、真っ暗な中、目が覚めました。すぐには寝付けないでしょう。友人の夫に癌が再発したと知らされたのです。今度は脳と脊椎です。彼らを思って苦悶しました。何という重荷でしょう。しかし、夜通し祈りつづけて、平安な気持ちになりました。友人夫婦のために「うるわしい重荷」を担うと感じたのでしょうか。