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みことばの力

アポロ8号の宇宙飛行士、フランク・ボーマン、ジム・ラヴェル、ウィリアム・アンダースは、1968年のクリスマスイブ、人類史上初めて月の周回軌道に乗りました。彼らが月を10周し、月と地球の画像を送り、交代で創世記1章を読む姿が生中継されました。ボーマンは 史上最多の人々がクリスマスイブに同じ声を聞くと言われ、それにふさわしいことをしなさいと指示された、と40周年の記念式典で語りました。この歴史的瞬間に読まれた聖書のみことばは、今もなお、それを聞く人々の心に真理の種をまき続けています。

おばあちゃんクジラ

研究者が「グラニー(おばあちゃん)」と名付けたシャチは、「孫」に対する自分の役割の重要性を知っていたようです。最近、母親を亡くした孤児のシャチはまだ自立しておらず、誰かの保護と支援が必要でした。そこで、80歳を過ぎたおばあちゃんが並んで泳ぎ、幼いシャチに生きる術を伝授しました。餌のサケを囲い込んでもすぐ食べず、「孫」に食べさせるだけでなく、何を捕るべきか、また、その居場所を教えたりします。

そばに来てかがむ

小さな子の母親が懸命に自転車の練習をする娘の後ろを追いかけていました。子どもはスピードを制御できなくなって自転車は転倒し、女の子は足が痛いと泣き出しました。母親は静かにかがんで膝をつき、痛みが飛んでいくように足をなでました。効果てきめんです。少女は立ち上がって練習を再開しました。私たちの痛みが全て、これほど簡単に消えたらどんなによいでしょう。

信仰の遺産

米国のキリスト者の場合、母と祖母が信仰継承に多大な影響を及ぼしたと、2019年の調査で明らかになりました。信仰を継承した人の約3分の2は母のおかげだと言い、3分の1は祖父母(主に祖母)の功績だと答えました。

生涯の友だち

英国の詩人ウィリアム・クーパー(1731-1800年)は、自分の教会の牧師で元奴隷商人のジョン・ニュートン(1725-1807年)と友だちになりました。クーパーは、不安とうつ症状に悩み、自死を試みたことも一度ではありませんでした。2人は共に散歩し、神について語り合いました。ニュートンは、目的をもって詩を作ることが良い影響になると思い、賛美歌集の作成を思いつきました。クーパーは『かみのみむねはいともくすし』をはじめ、多くの詩を書きました。2人の友情は、ニュートンが別の教会に赴任してからも続き、クーパーが亡くなるまで、頻繁に手紙のやり取りをしました。

善にしがみつく

車を青空駐車場に止めて敷地を横切って家に帰ると、オナモミの実が服にくっつきます。俗称「ひっつき虫」。秋は特に厄介です。それは、服や靴、通りすがりの何にでもくっついて移動し、近隣の草地ばかりか世界中に種をばらまいて増えていきます。

重荷を軽くする

女性たちで聖研のグループを立ち上げた途端、次々と辛い出来事がメンバーを襲い、私たちは急速に親しくなりました。父親を亡くしたり、生まれた子が全聾(ぜんろう)だったり、離婚後の結婚記念日や我が子を救急搬送したことなど、どれを取っても、独りでは負いきれない苦悩です。皆がそれぞれに弱い立場だったことが、互いに対して心を開きやすくしたようです。少し前までは、よく知らない人たちだったのに、一緒に泣いたり、祈ったりするうちに、私たちは強い絆で結ばれました。

神は

両手いっぱいに荷物を抱えた男性が、20メートルほど先を歩いていましたが、つまずいて転び、荷物が散乱しました。周りの人が助け起こし、物も拾ってあげ、彼は歩き出しましたが、後ろにいた私は、財布が落ちていることに気付きました。そして、それを拾って追いかけました。「すみません!すみません!」と呼び続け、ようやくその人が振り返ると、私は追い付き、財布を渡しました。その時の彼の驚きと安堵(あんど)、感謝の入り混じった表情を、何年も経った今でも鮮明に覚えています。

愛による働き

レベッカ・リー・クランプラー(1831-1895年)は、医師となる学位を取得した最初のアフリカ系アメリカ人女性です。にもかかわらず、当時は「取るに足らない者と軽んじられ、無視された」と回想しています。それでも、彼女は献身的に治療を続け、自らの使命を全うしました。人種や性別で差別されたとしても、クランプラーは、「任務ならば、いつでも、どこにでも行く覚悟があり、準備もできている」と断言し、その通りに行動しました。彼女は、女性や子どもを治療し、解放奴隷に医療を提供することは、神に仕える道だと信じていました。しかし残念なことに、彼女の功績は100年以上も公には認められてこなかったのです。