恵みを維持するお方
昔、ボストンで巨大な糖蜜の貯蔵タンクが爆発しました。1919年1月15日、約870万リットルの糖蜜が、高さ約5メートルの波となって時速50キロ以上の勢いで街路を襲い、建物や市電、人や動物を押し流しました。糖蜜自体は良いものでも、この事故の被害は甚大で、21人が亡くなり、150人以上が負傷しました。
スタミナ切れ
看護師の友人が「これ以上はもう無理」と涙ながらに訴えました。「自分は看護師に召されたと信じているけれど、もう精神的に参ってしまった」と言いました。新型コロナウイルス感染症がまん延する混乱の中で働き続け、絶望感に圧倒されていたのです。私は友人の疲れ切った顔を見て言いました。「無力さを感じているのね。それなら、神にもらった志を貫く力と、どこに進むべきかという神の導きを祈りましょう」。彼女は即、一般的な祈りではなく、真剣に具体的に祈りました。そして程なく、新たな目的意識を得て、元気を取り戻しました。神は彼女に看護の仕事を続ける気力や体力だけでなく、国中の病院を回ってより多くの患者に仕える強い力を下さいました。
あわれみ
新型コロナウイルス感染症のためにクルーズ船の乗客は船内での隔離生活を余儀なくされました。『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙に掲載されていた乗客のインタビューによると、隔離生活で夫婦の会話が増えたといいます。ある人は、自分の過去の失敗を覚えている妻の記憶力がすごかったと冗談を言っていました。
救いの御手
ブロガーのボニー・グレイは、嵐のような悲しみに囚われたと語ります。最高に幸せだった時期に、突然、理由もなく、パニックや抑うつ感に襲われたのです。何とかしようといろいろと試してみましたが、やがて、その状況に1人で立ち向かえるほど自分は強くないと悟りました。彼女は次のように語ります。「あの抑うつ感が去るように、誰にも何も言わず1人で祈りました。信仰が弱いなどと言われるのが嫌だったからです。しかし、神は、痛みから目を逸らさせたり、自分で自分を責めたりさせたいとは思っておられません。私たちを癒やされたいのです」。彼女は、神の臨在に慰められ、癒やされていきました。神は、逆巻く大波から守ってくれるいかりでした。
燃えるような愛
詩人、画家、銅版画職人のウィリアム・ブレイク(1757-1827年)は、45年間の幸せな結婚生活を送りました。彼と妻のキャサリンは、結婚式の日から彼の亡くなる1827年まで、夫婦で支え合って創作活動をしました。キャサリンはウィリアムのスケッチに彩色を施し、互いに対する献身で、長年の貧乏生活や他の試練を乗り越えました。病の床にあった最期の数週間でさえ、彼は絵を描き続け、最後のスケッチは妻の顔でした。キャサリンは、その4年後、夫の鉛筆を握りしめて亡くなりました。
圧倒的な勝利者
夫が少年野球の監督をしていた時のことです。打ち上げパーティーをすると、最年少のダスティンが「今日は負けたんじゃないの?」と言いました。「ええ。でも、みんながベストを尽くしたことが誇らしいの」「でも負けたよね」私はうなずきました。「なのになぜ、勝ったように感じるの?」私は「それはね、あなたが勝利者だから」と笑顔で答えました。
混乱の中の恵み
うとうとしかけていると突然、息子のエレキギターの音が地下室から響いて静寂が破られ、壁が振動しました。昼寝どころではありません。すると、競うように別の音が聞こえました。娘が「驚くばかりの恵みなりき」をピアノで弾き出したのです。
心のリズムが一つに
文字が発明されるずっと前から、昔話は人々の心を捕えてきました。物語は知識を伝える手段でもあります。「昔々……」と始まると、私たちは皆、ワクワクしながら耳を傾けます。物語には人を楽しませる以上の力があります。最近の研究によると、物語を一緒に聴いている人たちの心拍が同期するといいます。心拍は人によっても違い、同じ人でも時間帯で変化します。ところが、同じ物語を一緒に聴いている人たちの心臓は、同じリズムで拍動していると報告されました。
御手の中で
俳優ウィリアム・シャトナーは、テレビのSFドラマシリーズ『スタートレック』でカーク船長を演じましたが、実際に宇宙に行けるとは思いもよらないことでした。彼は11分間の宇宙飛行の後、「あれほど感動する経験は他にはない」と興奮して語りました。「青い色はすぐ過ぎて、漆黒の闇がありました。下を見ると青、上は真っ暗闇です」と述べ、「美しい青の層は薄く、一瞬で通り抜けてしまいました」と続けました。