沈黙の音
釣り仲間が「深い川は静かに流れる」ということわざを巧みに逆転させて、「浅い川は、大きな音を立てて流れる」と言いました。つまり、あれこれ騒ぎ立てる人ほど、中身が無いと言いたかったのです。裏返して言うなら、私たちは聞くことをおろそかにしている、ということになります。「サウンド・オブ・サイレンス」という歌の中に、傾聴しない人たちが登場します。言葉が聞こえていても、まず自分の考えを脇において、相手の話に耳を傾けることができません。黙して静まることを学ぶのは、誰にとっても良いことです。
心ない言葉
車の後部座席にいた娘が、急に大声で泣きだしました。どうしたのと聞くと、お兄ちゃんが腕を「ぎゅっ」としたと言います。息子は、妹がつねったので腕をつかんだと言い、娘は、お兄ちゃんが意地悪なことを言ったからつねったのだと言い返しました。
言葉の力
南アフリカ共和国のアパルトヘイト体制に反対し、30年近くも投獄されたネルソン・マンデラ氏は、言葉の力を知っていました。今日、マンデラ氏の発言はよく引用されますが、彼が投獄されている間は、波紋を呼ぶことを恐れて、誰もそんなことはしませんでした。解放から10年ほどして、彼は次のように語りました。「私は言葉を軽率に使いません。27年の獄中生活という孤独が人に何かを学ばすとしたら、それは言葉の尊さです。言葉が、人の生き方、そして死に方に、どれほどの影響を与えるか、私は静寂の中でそれを学びました。」
ウェブ利用上の知恵
多くのウェブサイトには読者の感想や意見を書き込む場所がありますが、どれほど評価の高いサイトであっても、悪意ある暴言や根拠のない侮辱、失礼な投稿をする人はいるものです。
火の会話
私の出身地のガーナ北部では、12月から3月の乾期になると、よく山火事が起こります。炎に包まれた広い農地を見たことがありますが、その原因は、暖炉の火の不始末やタバコのポイ捨てです。乾燥した草原では、ほんの小さな炎が大火災を引き起こします。
舌の賢い使い方
人間の身体で最も強い筋肉は何でしょう。それは舌だという人もいますが、正解か否かは分かりません。筋肉は単独では動かないからです。
御しがたきを制する
人間はベトナムのミニブタからシベリアキツネにいたるまで色々な野生動物を飼いならすことに成功してきました。テレビコマーシャルで猿に「演技」をさせたり、野生の鹿を訓練して、人間の手から直接餌を食べるようにしたりしました。使徒ヤコブは「どのような種類の獣も鳥も、はうものも海の生き物も、人類によって制せられるし、すでに制せられています」と語ります(ヤコ3:7)。
ことばの戦い
フランツ・フェルディナント大公夫妻の暗殺に報復するとして、1914年7月28日、オーストリアとハンガリーは、セルビアに宣戦を布告しました。ヨーロッパ各国は、その後90日以内に各々の軍事同盟に基づき、また自国の野心に照らして、どちらかの陣営に加わりました。この事件は、近代史上で最も破壊的な軍事紛争のひとつである、第一次世界大戦に発展していったのです。
時宜にかなった言葉
タイミングがすべてだと、誰かに言われたことがありますか。聖書によると、言葉をかけることにもタイミングが重要なのだそうです。神がちょうど良いタイミングで誰かを元気づける言葉を届けるのに、あなたの口を使われたことはありませんか。それとは逆に、言いたいことがあっても、黙っている方が賢明だというときもあるでしょう。