神のための苦労
ウィリアム・ケアリー(1761-1834)の村の人たちは、彼が宣教の父と呼ばれるようになるとは思ってもみなかったでしょう。織工の息子に生まれ、しがない靴職人として暮らしながら、ギリシャ語、ヘブル語、ラテン語を独学していました。長年の苦闘の末、宣教師になりインドに赴く夢を実現させましたが、我が子の死や妻が精神を病むなど、苦汁をなめました。長い間、宣教の成果もありませんでした。
シャロームの精神
ドキュメンタリー映画「ルック&シー:ウェンデル・ベリーの叙述」で、ベリーは「分離」という言葉が世界の現状だと言います。一体であるべきものがバラバラです。何をすべきかと尋ねられると、ベリーはこう答えました。「すべてを元に戻すことはできません。まず、ふたつのものを取って、ひとつにしましょう。」ふたつに割れてしまったものを、ひとつにするのです。
何を誇るのか
本物とは何でしょう。童話「ビロードのうさぎ」は、この大きな問いに答えています。坊やのもとに来たビロードのうさぎが、愛されることによって本物になるお話です。子ども部屋のおもちゃの中に、古くて賢いウマがいます。それは「機械仕掛けのおもちゃがやって来ては、威張ってふんぞり返って歩く。でも、やがて壊れて…消えていく」と語ります。機械仕掛けのおもちゃは形も音も素晴らしい。しかし、彼らの自慢は、愛の前には無力でした。
その方はどんなお方?
新婚旅行の帰り道、空港で列に並んでいると、少し離れた所にいる男性に気づきました。目配せする私に、夫はちらっと見て「誰?」と言いました。私は興奮して、その俳優の有名な役の名を早口で言うと、彼のところに行って、一緒に写真を撮ってもらえませんかと尋ねました。私は24年経った今も、このことを楽しく人に話します。
賢明な援助
赤信号で車を止めると「食べ物を買うお金がありません。少しでもめぐんでください」と書いた紙を持つ人が立っていました。私は、ため息をつきました。困っている人を見過ごしてよいのでしょうか。
今から始める
姉に癌が見つかった2017年2月の終わり、私は「今からは、姉のキャ ロラインと一緒にいる時間を少しでもたくさん作らなくては」と友人たちに話しました。すると、私は過剰に反応していると言う人たちがいましたが、姉は10カ月もしないうちに亡くなってしまいました。私たちは多くの時をともにしましたが、大切な人の場合、どれほどの時間を割いても十分ではありません。
今、お腹が空いてるの
トーマスはインドの貧しい家に生まれ、アメリカ人の養子になりました。やがて故郷を訪れ、子どもたちの困窮を目の当たりにしました。彼はアメリカに戻って大学を卒業し、お金を貯めて援助のために戻って来ようと思いました。
紐をほどく
赦しは癒すと教えているキリスト教団体が寸劇をしますが、そこでは、傷つけた人と傷つけられた人は、背中合わせに紐でくくられています。何をするにも、誰かが張り付いています。この紐をほどけるのは、傷つけられた人だけです。赦して紐をほどかなければ、自由になれません。
人をうらやまない
フランスの画家エドガー・ドガは、バレリーナの絵でよく知られていますが、友人でライバルのエドゥアール・マネをうらやむ言葉は、あまり知られていません。彼は、マネは「やることすべて、一発で決めるが、私は何度やっても上手くいかない」と語りました。