大胆な選択
フランコ・ゼフィレッリ監督の映画『ロミオとジュリエット』は絶賛されましたが、彼はその準備の過程で主役の2人に無名の俳優を起用するという大胆な決定をしました。シェークスピアの原作の年齢に合わせるべきだと、ロミオ役に17歳のレナード・ホワイティング、ジュリエット役に16歳のオリビア・ハッセーを抜てきしたのです。
祖母の最後の夜
日曜礼拝に着ていく服を一式そろえて寝る、というのが、土曜日の夜の祖母の習慣でした。早朝礼拝に出席していたので、すぐに出かけられるように準備していたのです。しかし、ある土曜日の夜、彼女は急病で入院し、そのまま天に召されました。祖父が病院から戻ると、祖母がそろえた服がありました。教会に行く準備も、神に会う準備も完了していたのです。
都合の悪い割り込み
マヌエルが信号で停止すると、娘がタイヤ交換に苦闘している人に気付きました。「パパ、助けてあげて!」これでは礼拝に遅刻です。しかし背後に神がおられると思い、見知らぬ人に手を貸しました。そして「一緒に教会に行きませんか」と誘いました。
自分を献げる価値がある
英国の司教ウィリアム・テンプル(1881-1944)は、ある時、オックスフォード大学の礼拝説教の最後に『栄えの主イエスの』を歌うように導きました。しかし、その歌詞を軽く見ないように忠告し、「歌詞の意味を本気で実行する気なら思いっきり歌いなさい。さもなければ黙っていなさい。少し本気で、もっと本気になりたいなら、小さな声で歌いなさい」と言いました。すると会堂は多くのささやく歌声で満たされ、「ああ主の恵みに 応うる道なし わが身のすべてを 主の前に献 (ささ)ぐ」(讃美歌21 297番)という最後の部分を意味深くしました。
栄光なる啓示
中世の神学者トマス・アクィナスは、神を追い求めて生きたいと願って苦難を耐えました。彼はドミニコ会という清貧な生活と学びと説教に専念する修道会に入りたかったのですが、それに反対する家族に1年間監禁されました。生涯を懸けて聖書と被造物を研究し、100巻近くの著書を記した後、神を強烈に体験しました。そして、今まで自分が書いてきたものは、まるで藁(わら)くずのようなものだ。このような栄光を体験したからには、もう書くことはできないと語り、その3カ月後に亡くなりました。
キリストに根を張る
有名な牧師のアンドリュー・マーレー(1828-1917)は、故郷の南アフリカではオレンジの木が病気になると言いました。素人目には分かりませんが、樹木医ならば木が枯れる前兆の腐れを見つけることができます。病気の木を救うには、幹と枝を根から切り離し、新しい木に接ぎ木するしかありません。そうすれば、幹や枝は成長し実をつけることができます。
神の声を聴く
車や路面電車、高架を走る電車の音、慌ただしく行きかう人々の足音や新聞売りの叫び声。20世紀初頭のニューヨーク市は、騒々しい場所でした。ところが、チャールズ・ケロッグという男性が友人に「聞いて、コオロギが鳴いている!」とブロードウェイと34番通りの交差点で言ったのです。
神の命令を注意して聞く
運転手が突然失神し、60人の生徒を乗せたスクールバスが暴走し始めました。7年生のディロンが、運転席に走って行き、ブレーキを上手に踏んだおかげで大惨事を免れました。他の生徒がスマホに没頭する中、スマホを持たない彼だけが、頭を上げて運転手を見ていました。ブレーキの踏み方を知っていたのは、運転手の動作を何十回も見ていたからです。彼の集中力と迅速な行動が、生徒たちと運転手の命を救いました。
全てを知る神
神は全知のお方ですが、ウォールストリート・ジャーナル紙の記事は、国家安全保障局(NSA)も、私たちについてかなり知っているといいます。スマホを持つ人は「デジタル足跡」を残す「メタデータ」を生み出します。個々のデータは取るに足らずとも、それらが組み合わされ、分析されれば、「これまでに考案された中で最も強力な調査ツールの一つ」になるといいます。メタデータをたどれば、いつ、どこへ行ったか、ピンポイントで特定できます。