神が思い出を用いられる
喪失や失望の経験は、怒りや罪責感、混乱をもたらします。自分が選択を誤ったために道が閉ざされたり、過失は無いのに悲劇に襲われたりした時、「もし~だったなら」と深く悲しむでしょう。そして、その辛い記憶を押し殺そうとしても、それは不可能だと気づきます。
永遠に愛されて
冷たくされたり、無視されたり、けなされたり、ということのない一日などありえないのかもしれません。そんな風に自分で自分を扱ったりすることさえあります。
優しく触れる
カナダの地下鉄で実際に起こった出来ごとです。通勤途上の乗客たちは一触即発の事態が感動的に収拾するのを目撃しました。恐ろしいほどの大声で悪態をついていた青年に初老の女性が優しく手を差し伸べ、彼を親切に取り扱ったためです。その青年は女性の優しさに泣き崩れ、「ありがとう、おばあちゃん」と言って立ち去りました。この女性は自分も怖かったそうですが、インタビューに応えて次のように述べました。「私自身、母親です。あの青年には優しく触れてくれる人が必要でした。」彼女は知らん振りをすることもできました。しかしそうはせず、リスクがあっても愛を示すことを選びました。
愛の代償
外国で暮らしている私たちの家にしばらく滞在して帰国の途につく両親に「さよなら」と手を振っていると、幼い娘が泣き出しました。「行かないで!」と泣く娘をなだめていると、夫は「可愛そうだけど、これは愛の代償だ」と言いました。
人生の羊飼い
息子が小学校で進級したとき「ずっと同じ先生がいい!」と言って大泣きしました。私たち夫婦は、先生は変わっていくものだと説明して、彼を納得させなくてはなりませんでした。事実、生涯つづく親しい関係などあるだろうかと思うことが、私たち大人の人生にもあるかもしれません。
永遠に変わらないもの
最近、災難つづきの友だちが「この2年間で多くのことが変わってしまって、本当に恐ろしい…。何もかも変わってしまうのだから」と言いました。
イメージマネジメント
英国の元首相チャーチルはケルビムやブルドッグを比喩に語られることが多く、自身、まんざらでもなかったので、80歳の誕生日に肖像画を贈られることになると、そういうイメージで描くのかと尋ねました。ところが、画家のサザーランドは、見たとおりを描くと答えました。その作品は、お世辞にも素敵とは言えず、チャーチルに嫌われました。最後には、こっそり処分されました。
抱かれて安らか
友人が生後4日の大切な娘を抱かせてくれました。ところが赤ちゃんは間もなくぐずり出しました。胸に引き寄せたり、頬をくっつけたり、揺らしたり…。必死にあやしましたが、どんどん機嫌が悪くなります。私はキャリア15年の母親ですが、そんなものは少しも役立ちません。ところが、居ても立ってもいられない友人の腕に戻すと、赤ん坊はすぐに泣き止みました。安心した顔つきになり、身体もリラックスしました。母は我が子の不安を和らげる方法を知っているのです。
必ず愛している
ひと息入れようと近くの公園を散歩していると、泥の中に萌え出る新芽がありました。ラッパスイセンです。ひと雨ごとに暖かくなり、もう春はそこまで来ています。今年も冬を乗り切ることができました。