Category  |  罪の赦し

内側から崩壊する

私が10代の頃、母はリビングの壁に絵を描きました。それは古代ギリシャの廃墟となった神殿の絵で、折れて横たわった白い柱や崩れた噴水、壊れた彫像が描かれていました。数年の間そこにあったヘレニズム様式の建造物の絵を見ながら、かつては美しかったはずなのに、滅亡の理由は何だったのだろうと想像しました。繁栄を謳歌した文明が内から崩れていった悲劇の歴史を学び始めていたので、こういうことに興味があったのです。

神への渇望

スミス夫妻が新居に引っ越すと飼い猫がいなくなりました。ところが、SNSに投稿された前の家の周囲の写真にその姿が写っています。夫妻は喜んで猫を連れ帰りましたが、またもや逃亡です。結局、前の家を買った人が引き取りました。猫が「我が家」に帰ることを誰も止められなかったのです。

罪悪感と赦し

文化人類学者のドナルド・ブラウンの著書『ヒューマン・ユニヴァーサルズ』には、文化を超えた人間の共通点が400以上挙げられています。例えば、玩具、ジョーク、ダンス、ことわざなどがある、蛇を恐れる、物を紐でくくることなどです。また、どの文化にも善悪の概念があり、気前のよいこと、約束を守ることを善とし、卑怯、意地悪、殺人を悪としているといいます。人には良心が備わっているのです。

神の物語

良い天気なので散歩に出かけると、新しい隣人に会いました。彼は、「僕の名前はジェネシス、6歳だよ」と自己紹介しました。「ジェネシス、素敵な名前ね。聖書の『創世記』だわ」と言うと、「聖書ってなに?」と尋ねました。私は「神さまのお話の本。どうやって世界や人間をお造りになったとか、どれほど私たちを愛しておられるかが書いてあるのよ」と伝えました。

祝宴

友人のシャロンが悲惨な交通事故で亡くなった一年後に、別の友人デイブの10代の娘メリッサが、やはり交通事故で亡くなりました。ある晩、私は彼女たちの夢を見ました。ふたりは広いパーティー会場を飾りつけながら談笑していて、私が部屋に入って来ても知らんぷりです。テーブルには真っ白なテーブルクロスがかけられ、金色の皿とワイングラスが置かれていました。私も手伝いたいと言ったのですが、ふたりには聞こえていないようでした。

やっと自由

レバノン内戦の際に5年間も拘束された英国人ジャーナリスト、ジョン・マッカーシーは、20年を経て、解放の交渉人ジャンドメニコ・ピッコと面会し、「私の自由をありがとう」と厳かに心からの謝辞を述べました。ピッコの交渉は生命の危険を伴ったのです。

朝もや

ある朝、近所の池の畔で朝もやの水面を眺めていました。もやは風で揺れたり、舞い上がったりしましたが、朝日が差し込むと消えていきました。この光景は「わたしは、あなたのそむきの罪を雲のように、あなたの罪をかすみのようにぬぐい去った」(イザ44:22)という今朝読んだみことばと結びつき、私を慰めました。ここ数日、ある悪い思いに捕らわれ、それを断ち切ろうと散歩に出たのです。既に神に懺悔(ざんげ)していましたが、再度、同じことをしたら赦してもらえないかもと不安だったのです。

白い雪の奇跡

アイザック・ニュートンは17世紀にプリズムを使って、人が色を識別する際の光の役割を研究しました。光が物体を通るとき、その物体には色があるように見えることをニュートンは発見しました。例えば、雪は砕かれた多くの氷の結晶の集合です。ひとつの氷の結晶は半透明ですが、全ての結晶の中を光が通ると、雪は人の目に白く映るのです。

あわれみを示す

エリック・フィッツジェラルド牧師は言いました。「悲劇が起こり深く傷ついたとき、あわれみを示すことと恨みを晴らすことと、どちらか一方を選べます。私はあわれみを示すことを選びました。」彼の妻は、帰宅途中に疲れて居眠り運転をしていた消防士が起こした事故で亡くなりました。検察官に実刑を望むかと尋ねられ、牧師は、自分が説いてきた赦しを実践することを選びました。そして驚いたことに、ふたりはやがて友人になりました。