身を避ける場所
フィルとサンディは、難民の子を2人引き取りました。そのような子の話に心を動かされたからですが、空港から帰る途中の車内では沈黙でした。大丈夫でしょうか。この子たちは文化も言語も宗教も違うのです。しかし、彼らが「身を避ける場所」は、この夫婦です。
本音を語る
教会の友人からこんなメールが届きました。「今月のケアグループは、ヤコブ5章16節を実践するのはどうでしょう。互いに断罪せず秘密も守るという安全な環境を作り、互いを信頼して罪の葛藤を告白し、お互いのために祈るのです」。一瞬、どうしようと思いました。私たちのスモールグループは旧知の間柄でしたが、互いの心の傷や罪の葛藤を率直に分かち合ったことはありません。結局のところ、自分を守っていなければ怖いのです。
幼子の信仰
私たちが「おばあちゃん」と慕っている86歳の女性が脳卒中で入院しました。言葉らしきものを話しても、その意味は理解不能でした。担当医は少し回復しなければ脳機能検査ができないと言います。しかし、彼女は私の顔を見ると、渇いた口を開いて「ケイラは元気?」と尋ねました。ケイラは私の娘で、12年間、彼女に在宅保育されていました。精一杯の愛情で世話してきたケイラのことを、まず尋ねたのです。
道をそれない
以前、死者79人、負傷者66人の列車の脱線事故がスペイン北西部でありました。運転士は黙秘しましたが、カメラの映像は、列車がとんでもないスピードで走っていたことを示していました。彼は、30年の経験を持つ国営鉄道のベテランでしたが、理由はどうであれ、乗客の安全を守る制限速度を無視し、大惨事を引き起こしました。
縁の下の力持ち
友人のミックは、開発途上国へ無料の医療を届ける「アフリカマーシー号」で働いています。病気を放置せざるを得なかった多くの人が、毎日、訪れます。テレビの取材が時折あります。彼らは医師や看護師たちが、口蓋裂を治し、内反尖足(せんそく)を矯正する様子にカメラを向けます。時々は、別の仕事をしているスタッフにもインタビューします。しかし、ミックの仕事に気付く人はほとんどいません。彼自身、考えてもいなかった配属先だったそうです。彼は、船の下水処理のエンジニアなのです。日々4万リットル近くの有害物質を含んだ水の処理は重要です。ミックが配管やポンプを管理しなかったら、医療船の活動は成り立ちません。
静寂が必要
ウエストバージニア州グリーンバンクは、起伏に富んだアパラチア山脈沿いの小さな町です。何の変哲もありませんが、ある一点だけ違っています。住民142人全員がWi-Fiにつながっていないのです。グリーンバンク天文台の電波望遠鏡は常に作動しているので、これに対する電波障害を防ぐために、近隣ではWi-Fiや携帯電話の使用が制限されています。グリーンバンクは、北米で最も電波が静寂な地域といえます。
長い取り組み
クーデターの後、キリスト者は迫害され、家畜を殺されました。生活の基盤を奪われ、ツンの一家は離散し、彼は独りで9年間、難民キャンプにいました。神が一緒だと分かっていても、家族2人の訃報に心が折れました。
あわれみが必要
特別な集会に備えて会堂の飾り付けをしていると、責任者が手際の悪い私に嫌味を言いました。彼女が去ると別の人が来て「気にしてはだめ。彼女にはあわれみが必要なのよ」と言い、私は笑いました。それ以来、誰かともめるとそう言いました。後年、その女性が亡くなると、彼女が、見えない所で神に仕え、困っている人に惜しみない援助をしていたと、牧師が語りました。私は、彼女や他の人のことを裁いたり、「あわれみが必要な人」とレッテルを貼ったりしたことを悔い、神に赦(ゆる)しを乞いました。実際、私も他の人と同様、あわれみが必要なのです。
見捨てられた人の信仰
トンガの10代の生徒たちが、1965年6月、島から脱出しようと海に出ました。しかし、初日の夜に嵐に遭い、船のマストもかじも折れました。水も食料も無く漂流し、無人のアタ島に漂着しました。