絶望の写真
世界大恐慌下の米国で、著名な写真家ドロシア・ラングは、フローレンス・オーウェンズ・トンプソンと彼女の子どもたちを撮影しました。その有名な写真「移民の母」は、エンドウ豆の不作の後の絶望を捉えています。この写真をカリフォルニア州ニポモで撮影した時、ラングは農業安定局の仕事をしており、農場の季節労働者の窮状を当局に知って欲しいと願っていました。
チャーピー
カモメのチャーピーは自分の恩人を、12年間、訪問しています。ジョン・サムナーは、脚を折ったチャーピーをドッグフードでなれさせ、治るまで看病してくれました。チャーピーが英国のデボン州インストウ・ビーチにいるのは、9月から3月までですが、両者は互いをすぐに見つけます。チャーピーは、他の人には近づきませんが、ジョンが浜辺に来ると、毎日、真っ直ぐに飛んで来ます。なんとも珍しい関係です。
わけあってゆっくり
英国BBC放送の番組「哺乳類の世界」で、世界一動きが鈍いミツユビナマケモノのユーモラスな表情を見るために、司会者が木に登って対面し「ワッ!」と言いました。しかし反応はありません。ミツユビナマケモノの動作が緩慢なのは、栄養の乏しい葉を食し、消化にも時間がかかるからだそうです。
本に喜びを見つける
積読(つんどく)という日本語を聞いたとき、私にぴったりだと思いました。それは読もうと思っている本が山となることです。本は何かを教えたり、別の時代や場所に連れて行ってくれたりします。本には知恵や喜びが詰まっていて、積読は減りそうにありません。
死刑囚の喜び
アンソニー・レイ・ヒントンは1985年、ふたつの殺人事件で、冤罪によって死刑判決を受けました。レイは、偽証した人たちを赦すこと、また、彼の喜びは不正では奪われないことを裁判で証言しました。そして「私は、死後、天国に行きます。あなたたちはどこに行きますか」と問いました。
求める前に
友人のロバートとコリーンは仲睦まじいベテラン夫婦で、そのやりとりは微笑ましい限りです。食事の時には、あうんの呼吸で必要なものを渡したり、飲み物を注ぎ合ったりします。ひとりが話し始め、もうひとりが締めくくるなど、互いの心が読み取れるかのようです。
素晴らしい技
大学の合唱団のリーダーは指揮とピアノの伴奏をバランス良くやり遂げましたが、あるコンサートの後、非常に疲れた様子なので声をかけました。すると、「こんなことは初めてだった。ピアノは調律されてなくて、左手と右手を違う音調でずっと弾かなければならなかったんだ」と言いました。私は仰天しました。何と素晴らしい技術を持っているのでしょう。そして、そんな人を造られたお方に驚愕しました。
請求書の支払い
ナイジェリアのラゴスの病院で、実業家のジールは「どうしたんだ?」と腰をかがめて尋ねました。太ももを包帯で巻かれた青年は「誰かに撃たれた」と答えました。幸い入院するほどではありませんが、お金を払わなければ帰してもらえません。地域の公立病院は、そういう所が多いのです。ジールは担当者と交渉し、名前を伏せて、基金から払ってあげました。彼はキリスト信仰を証するために基金を立ち上げていたのです。いずれ贈り物によって自由になった人たちが、お返しとして人に与えることを願っています。
命にまさるもの
メアリーはイエスを愛していましたが、人生は苦しく、じつに厳しいものでした。ふたりの息子に先立たれ、ふたりの孫も銃の犠牲となって亡くなりました。彼女自身は脳梗塞で身体の片側が不自由です。しかし、教会に行けるようになるとすぐ礼拝に集い、障害の残るたどたどしい口調で「私のたましいはイエスを愛します。その名をあがめます」と主を賛美しました。