Month: 7月 2020

主の傷痕

グレーディーは握手ではなくグータッチを好みますが、その理由はたぶん、手首についた自傷行為の痕が見えてしまうからです。私たちは、人に傷つけられたか、自分で傷つけたかにかかわらず、自分の体や心の傷を隠そうとします。

かすかな光

第二次世界大戦でスパイ活動をしていたジャーナリストのマルコム・マガリッジは、ある憂鬱な夜について記しました。「酒の匂いと絶望に満ちたベッドに横たわった…宇宙の中で永遠にたったひとり。かすかな希望の光もなく…」と。そして、マダガスカルの海に飛び込み、自らの命を絶とうとしました。沖に向かって泳ぎ続け、疲れ切って振り返ると、遠く離れた岸辺にほのかな光が見えました。すると、訳も分からずその光に向かって泳ぎ始めていました。肉体は疲労困憊でしたが、圧倒的な喜びに包まれていたと語ります。

すべてを洗い流す恵み

アマゾンのスマートスピーカー「アレクサ」には、言われたことをすべて消去する機能があります。「今日言ったことを消しておいて」と言えば、アレクサに頼んだことや、集めてもらった情報などを、すべてなかったことにできます。しかし実生活は違います。失敗や失言を消去することはできません。

鏡よ、鏡

鏡に映る自分をどう思いますか。見かけばかりがもてはやされる昨今、人の美しさとは、そもそも何でしょう。この冊子を読むことで、自分の本当の美しさ、本当の価値に気づくことができますように。

王族の役割

王位継承順位が高い人は世間が注目しますが、低位の人は通常、忘れられています。英国では、60人近くの人が王位継承権を持ち、フレデリック・ウィンザー卿の順位は49番目です。金融アナリストを生業としています。王族でも公務はないので、公費は出ません。静かに生活し、脚光を浴びることもありません。

待ち望む

トレヴァーは教会に失望し、答えを求めてもがく17歳です。探求し続けていますが、未だに解決はありません。彼の心の旅路は両親との距離を縮めましたが、キリスト教にはつまずいたままです。「聖書は、から約束でいっぱいだ」と辛辣でした。

心に留め置く

少年が学校で乗り超えるべき課題に直面しました。すると父親が、毎朝、学校に行く前に、次の誓いの言葉を声に出してそらんじるように教えました。「神さま、今朝も僕を起こしてくれて感謝します。僕は今日も学校に行き、勉強し、…あなたのご計画どおりのりっぱな人になって人々を導きます。」父は息子にこう宣言させることで、彼が人生の避けて通れない課題から逃げないように助けようとしたのです。

誉れが消えうせた

娘のメリッサを取り戻すことはできません。学校で楽しそうにバレーボールをする姿を見ていた幸せな日々の記憶は薄れていきます。彼女のはにかんだ微笑みを思い浮かべることも、時には難しくなりました。メリッサが17歳でこの世を去ったとき、彼女の存在という私の喜びに幕が下ろされたのです。

やみに輝く光

激しい雷雨の後、私は犬のカリーと夜の散歩に出かけました。遠く知らない町に家族で引っ越して来て直面した数々の問題が、私を悩ませていました。期待に胸を膨らませてきたのに迷路にはまり込んだようでした。乱れる心と重い足取りの私の横で、カリーは草の匂いを嗅いでいます。ふと気づくと、そばを流れる小川のせせらぎが聞こえます。小さな光が土手に咲く野花の上を、ついたり消えたりしながら、飛び交っていました。蛍です。やみの中で点滅する光を見ながら、私は主の平安に包まれていきました。