今は空っぽ
私たち家族と弟たちは実家の引っ越しを敢行しました。午後遅くに最後の家財を運び出すと、もう戻ることはないと思い、裏庭のポーチで集合写真を撮りました。母が振り向いて「もう空っぽね」と言った時は涙がこぼれそうでした。この気持ちをどうすればよいのでしょう。54年間の家族の思い出が詰まった家が、今は空っぽなのです。私は考えるまいと、思考を停止させました。
従う自由
フィギュアスケート選手として類を見ない成功を納めた少女の顔に、不安と恥が表れていました。2022年の冬季オリンピックを控え、一連の好成績により金メダル獲得を確実視されていたのに、体内から禁止薬物が検出されたのです。絶大な期待とごうごうたる非難の重圧で、フリーの演技では何度も転倒し、勝利もメダルも逃しました。氷上での自由と創造性は、規則違反への非難に破壊されてしまいました。
神の庭
去年の春、妻が夜顔を植えました。この花はムーンフラワーとも呼ばれます。夜に咲く大輪の白い花が満月に似ているからです。寿命は一夜限りで、明るい朝日の光でしぼんでしまい、人生の美しさと短さをほうふつとさせます。しかし、夜顔は1本の花茎に多くの花を付けます。出かけるたびに、今日、帰宅したら、どんな美しさで出迎えてくれるだろうと楽しみです。
思い切った決断
カリブ海のセントルシア島の熱帯雨林の中でジップラインを体験しました。滑車にぶら下がり、空中に張ったロープを高速で移動するのです。飛び出す直前、怖くなりました。不慮の事態が次々と脳裏をよぎります。しかし、渾身(こんしん)の勇気を振り絞ってジャンプしました。森の最も高い地点から飛び出して、青々とした木々の間を風を切って下っていくと、不安は徐々に薄れて、重力に任せて空中を移動していると到着点が見え、やがてゆっくり停止しました。無事に到着したのです。
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安全地帯
教師を引退したデビー・スティーブンス・ブラウダーは、人々に植林を推奨しています。その理由は高温対策です。アメリカの猛暑は、気候関連の死因の第1位です。その対策として、まずは植林、と彼女は語ります。樹木で日陰を作ることは、人々を守る有効な手段の一つです。それは、地域の美観だけではなく、「生きるか死ぬか」の問題なのです。
試練によって強くなる
書類の中から「よくがんばりました!」と書かれたシールが出てきました。目がしみる治療を我慢して、そのシールを誇らしげにシャツに貼った4歳の息子の姿がよみがえります。斜視の治療は辛かったはずです。手術もしました。彼は、両親に見守られ、子どもの素朴な信仰で神に頼りながら、一つ一つの試練を乗り超えました。そして息子はメンタルの強い子に育ちました。
警告という思いやり
インドネシアのスマトラ島が、2010年、大津波に襲われ、400人以上が亡くなりました。しかし、津波警報システムが機能していれば、死亡者はゼロか最小限に抑えられたはずでした。津波検知のブイは外れて流されていたのです。
心の在りどころ
ウィスコンシン州ミドルトンに行くことがあったら、国立マスタード博物館を訪れてはいかがでしょう。マスタードなどどれも同じだと思う人には驚きです。世界中の6090種類ものマスタードが展示されています。テキサス州マクリーンには有刺鉄線博物館があります。これほどの情熱を金網に燃やす人がいることに驚くかもしれません。